暑い日差しが照りつける晴れた日曜の朝。
良晴が別の友人から借りた車で芳雄の家の前まで迎えに来ていた。
そのうるさいマフラーの音に気付き、芳雄が家の窓から顔を覗かせる。
良晴:「よおっ!待ったか?」
芳雄:「何が待ったかだ。言ってた時間よりもまだ30分も早いじゃないかっ。」
良晴:「そんな事言うなって。早く用意して行こうぜっ!」
芳雄:「分かったから。ちょっと待ってろ。」
ぶつぶつ言いながらも芳雄の顔は家の中に消えていった。
そしてしばらくすると、玄関から出て来た。
芳雄:「まだ8時40分だぞ。」
良晴:「善は急げだ。早く行こうぜ。」
そう言うと低いマフラー音を響かせながら鈴香サーキットに向かったのだった・・・・
秘密のコンタクトレンズ「彼女の身体に俺のブツ!」(つづき1)
2時間高速を走りつづける良晴。
その後、高速を下りてから30分ほど走ると鈴香サーキットに到着。
駐車場に車を止めた良晴は、芳雄と今日の計画を再度確認した。
良晴:「ほら、この写真の女性だよ。」
良晴が芳雄に見せたのは、インターネットで調べたあるレースクイーンが水着姿で映っている写真だった。
有名なスポンサーの黒いハイレグ水着を身に着けた彼女の名は「波野 忍(しのぶ)」。19歳のモデルだ。
スタイルは言うまでもないが、その綺麗に染めている茶色の髪。それにお姉さんをかもし出す明るくて綺麗な笑顔。
写真に写っている、そのほっそりした顔立ちの彼女は、良晴の心をときめかせるのに十分過ぎるほど魅力的だった。
芳雄:「綺麗な人だな・・・・」
良晴:「なあっ!お前もそう思うだろ。」
芳雄:「なんかこれから起きる事、想像したくないなあ。」
良晴:「そういうなって。じゃあ俺はこの駐車場で待ってるからさ。後は頼んだぜ。」
芳雄:「まあ、仕方ないな、約束だし。ほんじゃあちょっと行ってくるわ。」
良晴:「駐車場広いからな。迷わないようにしてくれよ。あんまり目立つと後々大変だからな。」
芳雄:「お前ほど方向音痴じゃないって。でも歩きにくいだろうなぁ・・・」
そう言うと、助手席から車の外に出て、ドアをバタンと閉めた・・・
・・・・・20分ほど経過しただろうか。
昨日は興奮してほとんど眠っていなかった良晴は、車の中でついウトウトと浅い眠りに陥っていた。
エンジンをかけっぱなしでエアコンをつけているので外気とは偉い違いだ。
涼しい風が絶えず身体にあたり、心地よい感じがする。
そんな気持ちのいい雰囲気の中、助手席のドアをガチャッと開ける音でふと目が覚めた。
誰かが助手席に座った気配がする。
良晴:「んん?」
目を細めながら助手席に視線を移すと・・・
そこには芳雄に手渡した写真と同じ顔をした女性が膨れっ面でこちらを見ていたのだ。
良晴:「・・・あっ!」
眠っていたせいか、頭の回転が鈍いようだ。
驚いた声を上げるのに数秒かかってしまった。
忍:「おい良晴。なに呑気に寝てるんだよ。こっちは大変だったって言うのにさ。」
彼女の口からは、らしくない言葉が出てくる。
良晴:「あ、いや、すまん。ちょっと眠たくなってさ。」
忍から投げかけられた言葉に、思わず素直に答えてしまう。
忍:「まったく呑気なやつだよ。さあ、早くここから出ようぜ。」
良晴:「あ、ああ・・・・」
その言葉にハンドルを握り、駐車場を後にする良晴達。
国道を走りながらも良晴は隣に座っている忍の身体を意識せずにはいられなかった。
顔にかかった茶色の前髪が、エアコンの風でさらさらとなびいている。
上半身には白いナイロン生地のウィンドブレーカーのような服を着て、のっぺりとした股間を黒いワンピースのハイレグ水着が隠している。
窮屈そうに組まれた両足を、少し黒目のパンティストッキングが包み込み、
そのほっそりとした太ももには太陽の光があたってキラキラ光って見えた。
良晴:「いいよ。すごくいい感じだ。もう襲いかかりたいくらいさ。」
忍:「何言ってるんだよ。まだラブホテルについてないじゃないか。それにコンタクトレンズを試す事が本当の
目的だろ。」
良晴:「わ、分かってるって。ちゃんと覚えてるんだからさ。」
忍:「俺が何のためにお前の好みの女性に乗り移ったか、ちゃんと覚えていてくれよ。」
良晴:「分かってる、分かってるって。感謝してるよ。」
そう話しているうちに、調べておいたラブホテルに到着する。
・・・・ここで良晴の計画を話すと・・・・
良晴は芳雄に頼んで、インターネットで調べた好みの女性「波野 忍」に乗り移ってくれと頼んだ。
もちろん、芳雄の開発した「PPZ−4086」を使って。
そして、芳雄が操る忍の身体でコンタクトレンズを試そうというわけだ。
だから、駐車場で助手席から出た芳雄は、後部座席に移動して「PPZ−4086」を飲んだ。
後部座席で幽体離脱した芳雄は、幽体のままレース場に入り込み、たまたま1人で歩いていた忍の身体に乗り移ったのだ。
カメラ小僧の視線を交わし、パシャパシャとカメラで取られるのを我慢しながら慣れないハイヒールで歩き回って
ロッカーのある建物を見つけ、更に良晴のためにロッカーから予備のハイレグ水着を袋に詰めて持ってきたのだ。
スタッフに気付かれないように、こそっと駐車場に行く時の緊張感はまだ忘れられない。
そんな思いをして車に戻ってくると、良晴は涼しい車内で気持ちよさそうな顔をして転寝をしていたというわけ。
話は戻って・・・
薄暗い駐車場に車を止めた良晴。
日曜日のお昼とあって、ほとんど車は止まっていない。
良晴:「お前の元の身体、どうする?」
忍(芳雄):「いいよ、このまま後ろに置いておこう。この駐車場、薄暗いしほとんど車も止まっていないから大丈夫さ。」
良晴:「そっか。お前がそういうなら構わないけど。」
忍(芳雄):「ほんの数時間の話さ。」
良晴:「そんなの分からないじゃないか。」
忍(芳雄):「分かるんだって。予備の薬を持って来てないんだから。」
良晴:「うそっ!」
忍(芳雄):「実験するのに、そんなに時間かからないだろ。」
良晴:「そ、そりゃそうだけど・・・」
忍(芳雄):「分かったらさっさと部屋に入ろうぜ。時間が勿体無いからさ。」
良晴:「そ、そうだな・・・・」
忍の姿をした芳雄は、持ってきた袋を片手に助手席のドアをバタント閉めた。
少しがっかりした良晴もあわてて車外に出て、ドアをロックした。
駐車場のすぐ後ろにある各部屋専用のドアを開けると、少し長めの階段がある。
良晴:「おい、お前先に上ってくれよ。」
忍(芳雄):「なんで?」
良晴:「歩きにくいお前が階段で足を踏み外して落ちたら大変だろ。そんな時のために俺が後ろにいて
いざという時は支えてやるから。」
忍(芳雄):「やさしいんだな。良晴は。」
良晴:「まあな。」
忍(芳雄)は、良晴が何を考えているのか分かっていた。だが、呆れて言う気にもなれなかったので
素直に従っただけなのだ。
忍(芳雄)が階段を上り始める。
少し離れて良晴も登り始める。
良晴:「ゴクンッ・・・・」
良晴の目には、ウィンドブレーカーから半分だけ見える、黒いハイレグ水着に包まれた形のいいお尻が
見えていた。下から覗き込むシチュエーションはなんとも男心をくすぐるのだ。
パンストに包まれた細い足が、1段1段、コツコツと音を響かせながら階段を上っていく。
良晴はとても幸せな気分になった。
階段を上り終えた二人の前に、かわいく塗られた黄色いドアが現れる。
忍(芳雄):「十分に堪能したか?」
良晴:「ごちそうさま。」
お互い知った仲だった・・・
ドアを開けて部屋の中に入る。
床には綺麗なフローリング。テレビやベッド、シャワールームが揃っている。
良晴:「結構綺麗な部屋だな。」
忍(芳雄):「ああ。男同士でこんな部屋はいるの初めてだ。」
良晴:「男同士って言っても外見は男と女だろ。」
忍(芳雄):「お前はそう思うだろうな。でも俺にとっては、目の前にいるお前は男だからな。
俺の身体がいくら女になったからって、気持ちは男同士だろ。」
良晴:「まあまあ、そのためのコンタクトレンズじゃないか。」
忍(芳雄):「ふ〜っ・・・で、何からするんだ?いや、したいんだ?」
良晴:「へへへっ、そうだなぁ。まずはコンタクトをはめないとな。」
良晴はそう言うと、先日、預かっていた失敗作(?)のコンタクトレンズをカバンから取り出し、
両目に装着した。
忍(芳雄):「なんだ、いきなりやるのか。」
良晴:「ま、色々考えてるって。あのさ、その水着の上に着ているウィンドブレーカーを脱いでくれよ。」
忍(芳雄):「いいぜ。」
忍(芳雄)は前のファスナーをジーッと下に降ろした。
そして、ホックを外したあと、ウィンドブレーカーを後ろに脱ぎ捨てた。
良晴:「おおおっ!」
良晴の目の前には、胸に有名メーカーのロゴがついている黒いハイレグ水着を身につけた「波野
忍」が
立っている。
忍(芳雄):「どうだ?」
忍(芳雄)は立ったまま頭の後ろに手を回し、片足を前に出してポーズをとった。
それはまさに写真に写っていた彼女、そのままだった。
良晴:「く〜っ!今すぐ襲いて〜っ!」
忍(芳雄):「フッ・・・・」
忍(芳雄)が、いくつかのセクシーポーズを良晴に見せつける。
そのたびに良晴は興奮し、ムスコが大きく、熱くなるのを感じていた。
良晴:「も、もうたまらん、やめてくれ。」
忍(芳雄):「お前、すごい興奮の仕方だなあ。こっちが恥ずかしくなるぜ。」
良晴:「そりゃそうさ。そんな綺麗な姿でセクシーポーズされちゃあ、どんな男だってイチコロだよ。」
忍(芳雄):「だろうなぁ。」
そう言うと、忍(芳雄)は部屋の隅に置いてある鏡の前に立ち、忍の身体となった自分をまじまじと眺め始める。
色々なポーズをとり、その度にうんうんと肯(うなずい)いている。
良晴:「なあ、芳雄。」
忍(芳雄):「ん〜?」
良晴:「1つお願いしてもいいか?」
忍(芳雄):「何だ?」
良晴:「頼むから女らしい言葉で話してくれないか。」
忍(芳雄):「何で?」
良晴:「その方が俺がそそるから。」
忍(芳雄):「俺はそそらない。」
良晴:「だから頼んでる。」
忍(芳雄):「嫌って言ったら?」
良晴:「・・・・諦める。俺の立場のほうが弱いから。」
忍(芳雄):「へぇ。珍しいな。お前がそんな事言うなんてさ。」
良晴:「まあな、あんまり時間もないしゴチャゴチャ言っても仕方ないからさ。」
忍(芳雄):「ふ〜ん、良晴って案外諦めが早いのね。」
忍(芳雄)が良晴の方を振り向き、わざと女らしい言葉を使う。
良晴:「う〜ん・・・いいねえ。女らしいって。」
忍(芳雄):「そうかしら。だって私は女だもん。」
良晴:「そうやって話してくれると、めちゃくちゃうれしいよ。まるで本人と話しているみたいだ。」
忍(芳雄):「失礼ね。私のどこが忍じゃないって言うの。ちゃんとこの身体を見てよ。
んふっ。ほら、胸だってこんなにあるんだから。」
そう言うと、忍(芳雄)は水着の上から両手で胸を鷲掴みにした。
メーカーのロゴマークがグニュッとシワを寄せてつぶれている。
良晴:「はぁ・・たまんねえよ・・・・」
忍(芳雄):「じゃあ早く試しましょうよ。コ・ン・タ・ク・ト・レ・ン・ズ!」
良晴:「お・・・おおっ!」
そう言うと、良晴はトランクス一枚になって忍(芳雄)と2mほど離れて向かい合ったのだ・・・・・
秘密のコンタクトレンズ「彼女身体に俺のブツ!」(つづき1)・・・・・おわり
あとがき
これって単なる憑依の話だぁ!
ぜんぜん変身になっていない・・・・
すいません。次回は必ず出てきます。秘密のコンタクトレンズを使った二人の話が・・・・
芳雄って、色んな薬の開発者だけあって女性の身体にはもう慣れているようですね。
乗り移ってもあまり興味を示さないところを見ると、かなり女性に憑依しているのかもしれません。
忍さんのような綺麗なレースクイーンに憑依してもそれほど感動しないところを見ると、
もしかしら既に有名なアイドル達に入り込んだことがあるのかもしれません。
本人に聞いてみないと分かりませんけどね。
でも教えてくれないんですよ。秘密だって(笑)。
なにはともあれ、最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。
Tiraより