芳雄:「失敗作だよ。」
良晴:「何が?」
芳雄:「コンタクトレンズ。」
良晴:「俺が借りているやつか?」
芳雄:「あれのバージョンアップ版さ。」
良晴:「バージョンアップ版?」
芳雄:「そう、あれからもう少し改良しようと思って。」
良晴:「あれ以上改良の余地があるのか?」
芳雄:「そりゃあいろいろあるさ。脳みそだけそのままで、顔までコピー出来るとか。」
良晴:「へぇ。そりゃあ完璧に相手になれるってことか。」
芳雄:「ああ、でもそれは出来なかった。」
良晴:「なんだ、つまんねえな。」
芳雄:「その副産物がこれなんだよ。」
芳雄の手には、今借りているのとまったく同じに見えるコンタクトレンズが透明の箱の中、
クッション材の上に置かれている。
良晴:「何だよ、見た目は全然変わらないな。」
芳雄:「そりゃあコンタクトレンズだからな。」
良晴:「一体それで何が出来るんだ?」
芳雄:「う〜ん。試してみたわけじゃないから分からないけど、今、良晴が持っているコンタクトレンズを
裏向けにはめたのと同じ感じかな。」
良晴:「・・・ということは、自分の身体を相手に移すってことか。」
芳雄:「ああ。」
良晴:「それじゃあ今のと全然変わらないじゃないか。」
芳雄:「そうなんだけどな・・・・ちょっと違うんだよ。」
良晴:「なにが?」
芳雄:「たぶんな・・・こんな感じだと思うんだ・・・・・」
秘密のコンタクトレンズ「彼女の身体に俺のブツ!」
良晴:「ふーん。なるほどな。」
芳雄:「なっ。ちょっと変わってるだろ。」
良晴:「確かにな。身体の強制交換か・・・・」
芳雄:「そうなんだ。だから、相手の胸に自分の胸をコピーすると相手の胸が自分にコピーされてしまうんだ。」
良晴:「う〜ん・・・・」
少し悩む良晴。
良晴:「という事はだ。首から下が相手の身体と完全に入れ替わるってことじゃないのか?」
芳雄:「そのとおり。」
良晴:「なるほど・・・・それ、使えるかもしれないな。」
芳雄:「それが、他にも問題があるんだよ。」
良晴:「んっ?問題ってなに?」
芳雄:「感覚は相手にあるってこと。」
良晴:「???」
芳雄:「俺の言っている事が分かるか?」
良晴:「さぁ?」
芳雄:「だろうな、お前の頭じゃ。」
良晴:「なんならそのコンタクトレンズ、お前で試してやろうか?」
芳雄:「あいや、それは遠慮しとくよ。要するにだ、たとえばこのコンタクトレンズで、お前が政美と
胸を交換するとするだろ。」
良晴:「ああ。」
芳雄:「そしたら、お前のことだから、その交換した政美の胸を揉んで快感を楽しむだろ。」
良晴:「そりゃそうさ、だってせっかく女性の胸が手に入るんだから。揉んで快感を楽しまないわけ無いだろう。」
芳雄:「それが出来ないんだよ。」
良晴:「出来ない?」
芳雄:「ああ。感覚は相手に残るんだ。だから、お前が胸を揉んだら政美が感じるんだ。」
良晴:「そ、そうなのか・・・・」
芳雄:「そう。だから、交換して女性の身体が手に入ったとしても、その感覚は味わえないってことさ。」
良晴:「そんなの全然意味ないじゃないか・・・んっ?でもさ、揉んでいる俺はどんな感じがするんだ?」
芳雄:「さあ?それは分からないな。だってまだ試した事ないし。でも、大体予想はつくぜ。
たぶんな、揉んでいるという感覚はあるけど、それは単に触っているという感じしかなくて・・・・
そうだな・・・他人の胸を揉んでもなんとも思わないだろ。そんな感じさ。胸から伝わる感触も、単に
自分の太ももを揉んでいるって感じだろ。」
良晴:「そうか・・・・ん〜・・・・・」
また考え出した良晴。
どうしても有効に使わなければ気がすまないのか?
良晴:「という事は・・・・相手に触られると自分にその感覚が帰ってくるということか。」
芳雄:「そうだな。そういうことになるな。」
良晴:「ほうほう。それは使えるかもしれないぞ。」
芳雄:「おい、またなんか悪巧みを考えたのか・・・」
良晴:「よ〜し、芳雄っ。今度の日曜日、鈴香サーキットへ行くぞっ!」
芳雄:「はぁ?なんでわざわざそんなとこに行くんだよ。」
良晴:「そりゃ決まってるじゃないか。今度の日曜日はF3レースの大会があるんだぜ。」
芳雄:「そんなもの見たいのか、お前は?」
良晴:「何言ってんだよ、決まってるじゃないか。レースあるところには、レースクイーンありっ!」
芳雄:「・・・・・はぁ・・・・」
良晴:「な、行こうぜ。」
芳雄:「別にお前1人でもいいんじゃないのか?」
良晴:「ダメなんだって。もう作戦は出来てるんだ。」
芳雄:「俺まで巻き込む迷惑な作戦がか?」
良晴:「だって、俺1人でどうやってレースクイーンのお姉さんと戯(たわむ)れるんだよ。
お前に一肌脱いでもらわないと無理だろ。」
芳雄:「何で俺が・・・」
良晴:「なんか想像つくか?」
芳雄:「いや。別に。」
良晴:「じゃあ教えてやるよ。あのさ、お前が前に開発したあれで、レースクイーンのお姉さんに・・・・」
芳雄:「じょ、冗談だろ。何で俺がそんな事しなきゃならないんだよ。」
良晴:「ちゃんと車の免許も取ったし。俺が運転していくからさ。ホテル代は割り勘な。」
芳雄:「無茶言うなよ。俺は嫌だぜ。なんでお前のためにそんな事までしなきゃならないんだよ。」
良晴:「そこは男同士の友情じゃないか。お前もこのコンタクトレンズ、実験してみたいだろ。」
芳雄:「・・・・・」
良晴:「決まりだな。日曜日の9時に車で迎えに行くよ。待っててくれ。」
芳雄:「知らないぜ。バレても。」
良晴:「別に顔を知られる訳じゃないから構わないじゃないか。」
芳雄:「それはまあ・・・な。」
良晴:「うっしゃ〜。日曜日が待ち遠しいぜ。」
芳雄:「はぁ・・・また良晴の策略にはまったか・・・・」
この会話、学校の昼休みに堂々と話している。
他の生徒は何の事かわかってないみたいだが、政美が聞けば分かるのだろう。
しかし、政美は今日学校を休んでいた。
そして、良晴の作戦が実行に移される日曜日がやってくる事になるのだ・・・・・
秘密のコンタクトレンズ「彼女の身体に俺のブツ!」(序章)・・・・終わり
あとがき
この話は良晴と芳雄だけの話で、政美は出てきません。
全く別のものと考えてください。
良晴はこの新しいコンタクトレンズを使って何をするのでしょうか?
と言っても、タイトルを見れば分かってしまうのが辛いところです。
じゃあタイトルを変更すれば言いという話もありますが、別にいいです。
良晴はエロいですから、私にも何を考えているのか分からないのです・・・へへへっ。
ここ数本、まともな話を書いていません。
ちょっとヤバイ感じですが、どういうわけだかこんなストーリーしか浮かんでこないのです。
私が欲求不満なのでしょうか?
純粋にTSF作品を楽しみたい方には本当に申し訳ないのですが、作者の都合上、勘弁してください。
それでは最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。
Tiraより。