あらすじ

麻子は中学3年生。
大学生の典江が家庭教師として麻子の勉強をみている。
センター試験を受けて、志望校には無理だと分かった麻子だが、
それでも受験したいといい、まずはすべり止めの高校を受験した。
しかし、どの高校も受かる事が出来ない。
そんな麻子は、自分の代わりに典江に受験してほしいと言い出した。
麻子は不思議な玉を持っていて、それを使えば身体を入れ替えられるという。
半信半疑だったが、麻子の言うとおりに儀式を行うと、本当に身体が入替わってしまった。
典江は驚きながらも麻子が望むとおり、身体入れ替えて受験に望むのである。
そのころ、典江の身体になった麻子は、お腹がすいたと言ってガラス張りの
喫茶店に朝食を取りに入ったのだった。
 
 
 

受験は任せたからね!(特別編)
 
 

喫茶店に入った典江(麻子)は、コツコツとハイヒールを鳴らしながら
カウンターに歩いていく。
カウンターでは、数人の店員が客の対応をしている。
その中にいる一人の若い男性が典江(麻子)の注文を受けた。
 

店員:「いらっしゃいませ。」

典江(麻子):「トーストとホットコーヒーを。」
 

典江(麻子)は、ちょっと気取って注文をした。
 

店員:「はい。少々お待ちください。」
 

紙に注文を書いた店員は、
カウンター後ろにある厨房の人にその紙を渡していた。
 

店員:「すぐにお持ちしますので、椅子にお座りになってお待ちください。」

典江(麻子):「ええ。」
 

そう答えると、典江(麻子)はガラス張りになって外がよく見えるテーブルの椅子に腰掛けた。
ガラスの前に長いテーブルが1列並んでおり、ちょうどカウンターのようになっているのだ。
その長いテーブルには、少し高く設定された背もたれのついた
丸い椅子がずらりと並べられているので目の前の慌しい外の景色を見ながら食べる事になる。
麻子は一度こういう雰囲気で食べてみたかったのだ。

いつもは中学の友達とわいわい言いながらテーブルを囲んで食べている。
周りからはコギャルが騒ぎながらファーストフードを
食べているのだという雰囲気にしか見えない。
なんと言っても、まだ「子供」なのだ。

そんな麻子は、一度ゆっくりと一人で喫茶店に入って食事をしたいと思っていた。
それも「大人の女」をイメージして。

今はそれを実現できる。

麻子はうれしくて、ついニヤけてしまいそうになるところをグッと我慢し、「大人の女」を演じていた。
椅子に座った典江(麻子)はテーブルに肘をつき、手のひらに顎(あご)を乗せながら外の景色を
見ていた。
ちょうど目の前が交差点になっているので、多くの人が横断歩道を行き来しているのが見える。
信号に従って立ち止まり、歩いている。
そんな人たちをじっと見つめていた。
 

典江(麻子):「外から見たら私ってどんな風に見えてるんだろう。
                    やっぱりお姉さんって感じで見えてるのかな。」
 

ガラスに薄く反射している典江の顔を見る。
やっぱり綺麗な顔をしているのが分かる。
それに、何人もの男性がガラス越しにこっちを見ながら歩いているのも見える。
 

典江(麻子):「学校の友達にこの姿を見せたいなあ。きっとビックリすると思うのに。」
 

そんな事を思いながら、ボーっと外を見ていると、
さっきの店員がトーストとホットコーヒーを持って現れた。
 

店員:「お待たせしました。ホットコーヒーとトーストでございます。」

典江(麻子):「ああ、ありがとう。」
 

店員の顔を横目で見ながら、目の前に置かれたホットコーヒーを見た。
コースターの横には、砂糖とミルクが置かれている。
 

店員:「それではごゆっくりと。」
 

そう言うと、店員はカウンターに戻っていった。
 

典江(麻子):「あの店員さんも、私のこの姿を見てドキドキしてたのかなあ。」
 

頭の中で色々なシーンがイメージされる。

私が誘ったら、即OKするのかな・・・

目を閉じて唇を近づけたらキスしてくるのかな・・・

もし彼女がいて、私がその人と別れてって言ったら別れるのかな・・・

そう思えるほど、典江は「美人」なのだ。
 

典江(麻子):「へへっ。典江さんだったらコーヒーに
                    ミルクも砂糖も入れないかな。」
 

どうしても大人の雰囲気を漂わせたい麻子は、
いつもはミルクも砂糖もたっぷり入れて飲むコーヒーを、ブラックのまま飲む事にした。
コップを右手で持ち、小指はピンと立てる。
そして、流し目をしながら一口すすってみた。

音を立てないように・・・
 

典江(麻子):「うわっ。苦っ。」
 

思わず吹き出してしまいそうだ。
ブラックコーヒーの苦さに耐えかねた典江(麻子)は、
周りの目を気にしながらミルクと砂糖を入れた。
スプーンでかき混ぜる。やっぱり小指は立てたまま。
 

典江(麻子):「これでよし。」
 

一口飲んで、口の中の苦味を消した典江(麻子)は、
小麦色にカリッと表面が焼かれているトーストを
手に取った。
いつもは大きな口を開けてガブリと食べる麻子だが、
このときばかりは小さく一口づつかじって食べる。
トーストをかじったところに淡いピンクの口紅が少しついている。
もちろんこんな事は経験したことが無い。
その口紅を見ただけでも麻子は興奮してしまった。
 

典江(麻子):「口紅だ・・・やっぱり大人の女よねぇ。」
 

そう言いながら、典江(麻子)は足を組んでみた。
右足の太ももの上に左足の太ももを乗せる。
タイトスカートがきつい。
でも、なんとか足を組む事が出来た。
その姿勢は「綺麗なお姉さん」そのものだ。

その仕草をガラスの向こうで見ていた男性がゴクリと唾を飲み込む。
不意に目が会ったその男性に、典江(麻子)は軽くウィンクして見せた。
男性がサッと目をそらして恥ずかしそうに歩いて行ってしまう。
 

典江(麻子):「ははっ、かわいい〜。」
 

典江(麻子)は、男性のその態度にうれしくなる。
だって今まで男性が麻子を見て、そんな態度をとった事が無いのだから。
つくづく美人は得だと感じたのだ。
 

典江(麻子):「さあ、早く食べよっと。」
 

そう言うと、足を組んだままトーストを食べ始めた。
たまにコーヒーを飲む。

ガラスの外では、何人もの男性が典江(麻子)の足を見ながら歩いている。
タイトスカートの奥が見えそうで見えない。
そんな視線を感じながら、典江(麻子)は朝食を取り終えた。
 

典江(麻子):「あ〜、おいしかった。でも口紅が取れちゃったかな。」
 

カバンの中からコンパクトを取り出してフタを開け、顔を映してみる。
やはりそこには典江の美しい顔があった。
 

典江(麻子):「いいよねぇ・・・私もずっとこんな顔になりたいなぁ。」
 

そう思いながら唇を見てみた。
少し口紅が取れかかっている。
麻子は口紅なんて塗った事が無かったが、冬になると唇がカサカサになるので
リップクリームは塗った事があった。
その経験を生かして口紅を塗ってみる事にした。
口紅のフタを取り、くるくるとねじる。
中から、ベースは赤で、少しピンク色をした口紅が出てくる。
 

典江(麻子):「ちょっと塗ってみよっかな。」
 

左手にコンパクト、右手に口紅を持って、鏡を見ながら口紅を唇に当てる。
やさしく塗りこむと、鮮やかな口紅の色がよみがえる。
 

典江(麻子):「ふふっ、結構いい感じだわ。」
 

綺麗に塗り終えた典江(麻子)は、テレビのドラマでよくやっている
紙を咥えて余分な口紅をとる事をやってみた。
カバンの中から薄い紙を取り出し、半分に折ったあと、口に咥える。
そして口から離すと、紙には典江さんの唇の型がついていた。
 

典江(麻子):「これでOK!」
 

紙を何度か折って小さくした典江(麻子)は、
カバンにコンタクトと口紅を閉まった後、
伝票を持って席を立ち、レジへと歩いた。
 

店員:「ありがとうございました。」
 

店員に伝票を渡す。
 

店員はレジに注文を打ち込んだ後、典江(麻子)に値段を言った。
 

店員:「550円になります。」

典江(麻子):「はい。」
 

典江(麻子)がカバンから財布を取り出し、550円を支払う。
 

店員:「ありがとうございました。またお越しください。」
 

店員が頭を下げたあと、典江(麻子)は喫茶店を後にした。
 

典江(麻子):「まだ時間があるけど、これからどうしようかな・・・」
 
 

そう思った矢先、持っていたカバンから携帯電話がなる音が聞こえてきたのだ・・・
 
 
 

そのころ、麻子(典江)は・・・
 
 
 

試験が始まる前に、受験票の写真と本人が同じかを確認するため、
試験官3人が一人ずつチェックする。
もちろん麻子(典江)のところにも試験官がチェックしに来た。
麻子(典江)は、緊張したおもむきで試験官に顔を見せる。
試験官は受験票の写真と確認したあと、何も言わずにその場を去った。
 

麻子(典江):「よかったわ・・・」
 

ほっとした麻子(典江)は、手のひらの汗がにじんでいるのを感じた。
問題を解く事よりも緊張していたようだ。

全員の確認が終わった後、試験官が時間配分を説明する。
そして、

試験官:「それでは問題を表に向けて開始してください。」

と、合図をした。受講生は一斉に問題を表に返して解き始める。
麻子(典江)も同じく、名前をかいた後に問題を解き始めた。
 

麻子(典江):「今までとちょっと違う問題だわ・・・」
 

試験の傾向が代わっていた事に少々驚いたが、出来る問題から解く事にした。
と言っても、典江のレベルからすればこのくらいは別段難しい事は無い。
スラスラと問題を解き終わり、見直しをしてもまだ30分しか経っていなかった。
 

麻子(典江):「ちょっと早く解きすぎたかしら。でもこれ以上遅くするのって、答えに迷いが出るからなぁ。」
 

まだ1時間ある。
麻子(典江)は解答用紙を裏返し、その上に腕を置いて顔を乗せた。

麻子(典江):「ちょっとだけ寝ちゃおっかな。」

余裕の麻子(典江)は、時間がくるまで寝て待つことにした・・・・
 
 

一方、典江(麻子)は・・・・
 
 

あわててカバンを開けて、携帯電話を取り出す。
液晶画面を見ると、知らない男性の名前が表示されていた。
 

典江(麻子):「・・・・重山 雅仁(しげやま まさひと)・・・誰?出てもいいのかな・・・」
 

そう思いながらも通話ボタンを押し、耳元に添えた。
 

典江(麻子):「も・・・もしもし・・・・」

雅仁:「あ、もしもし、典江?」
 

一瞬言葉に詰まってしまう。
どういう風に話せばいいのか・・・・
 

雅仁:「もしも〜し、聞こえてる〜っ?」

典江(麻子):「・・・・あ・・・は、はいっ。」

雅仁:「今どこにいるの?」

典江(麻子):「い、今ですか。今・・・え〜と・・・○○の隣ですけど・・・」

雅仁:「○○のとなり?ああ、あそこね。分かったよ。今時間ある?」

典江(麻子):「今・・・ですか?」

雅仁:「そうだけど・・・・なあ、どうしてさっきから敬語で話してるんだ?
          隣に誰かいるのか?」

典江(麻子):「えっ・・・いいえ・・・・そんな事・・・・ない・・・わ。」

雅仁:「ふ〜ん・・・ま、いいや。とりあえずそこで待っててくれよ。
         実は今すごく近くにいるんだ。5分もすればそっちに行くから。」

典江(麻子):「えっ・・・あ、あの・・・・」

雅仁:「んん?どうしたんだ?」

典江(麻子):「わ、私・・・・その・・・・典江さんじゃ・・・」

雅仁:「なに?聞こえにくいんだけど。話は後で聞くからさ。そこで待っててよ。
          じゃあな!」
 

プチッ・・・・・プーッ、プーッ、プーッ・・・・
 
 

電話が切れてしまった。
 

典江(麻子):「やだっ。どうしよう・・・・一体誰なの?もしかして典江さんの彼氏?」
 

勝手に話が進んでしまい、雅仁と会うはめになった典江(麻子)。

一体誰なのか?
どんな人物なのか?

全然検討がつかない。
しかし、あの馴れ馴れしいしゃべり方は、きっと典江さんと親しい証拠。
だとすれば彼氏の可能性は大きい。
典江(麻子)は、申し訳ないと思いながらも典江の携帯電話を操作し、
メモリーを調べてみた。
すると、登録されている名前で、男のものだと思われるのは雅仁だけ・・・・
 

典江(麻子):「やっぱり彼氏なのかなあ・・・・どうやって話せばいいの?」
 

不安になりながらその場に立ちつくす。
相手の顔がわからないから自分から声を掛ける事が出来ない。
雅仁と目が会ったとき、気付かなければ変に思われるかもしれない・・・

そう思った典江(麻子)は、とりあえずビルの壁にもたれかかり、俯いている事にした。
これなら雅仁が見つけて声をかけてくれるだろう・・・
 

「ねえっ!」
 

3分ほど経ったところで、いきなり声をかけられる。
 

典江(麻子):「あ、はいっ。」
 

サッと顔を上げる。すると、目の前にはスーツ姿の若い男性が立っていた。
 

・・・この人が雅仁さん?
 

そう思っていると、
 

男:「君、かわいいね。今から遊びに行かない?」
 

と誘ってきた。単なるナンパだったのだ。
 

典江(麻子):「わ、私・・・・人を待ってるから・・・」

男:「誰?もしかして彼氏?」

典江(麻子):「う、うん・・・・」

男:「いいじゃん、彼氏が来ないうちに遊びに行こうよ。ねえ、いいだろ。」

典江(麻子):「ダ、ダメです・・・・もう来るから・・・」

男:「なんだよ。つまんねぇな・・・・今度一緒に遊ぼうなっ、イロイロな事して!」
 

そう言うと、投げキッスをしならが歩いていった。
 

典江(麻子):「ホッ・・・・よかった・・・・・」
 

少し緊張していたせいか、額に手を当てると汗がにじんでいるのが分かった。

カバンからハンカチを取り出し、額にそっと当てながら汗を吸い取る。
いつもの麻子なら服の袖でグシャグシャッと拭いている所だが、
一応典江さんの身体だということを覚えているらしい。
動揺しながらもそれらしい「大人の女性」を作っている。

そこに、また声を掛ける男性が一人。
 

「ごめん典江、遅くなっちまったよ。同じクラブの奴にバッタリ遭っちゃってさ。」
 

馴れ馴れしく話を持ちかけてくるこの男性。
電話の声によく似ている。典江(麻子)は、彼こそ「重山 雅仁」だと確信した。
短い髪を茶色に染めている彼は、思ったよりも「イイ男」だった。
身長も170後半はあるだろう。
黒いジャンパーにすらりとした黒いジーンズを穿いている彼は、
結構モデルっぽかったりする。
 

典江(麻子):「あ・・・・あの・・・・」

雅仁:「怒った?」

典江(麻子):「い・・・いえ・・・・」
 

少し顔を赤くしながら俯いている。
 

雅仁:「ん?どうかしたのか?」

典江(麻子):「い、いえ・・・・なんでもない・・・です。」

雅仁:「どうしたんだよ、いつもの典江らしくないな。それにスーツにロングコート
          なんか着て。でもさすがに俺が買ってやったコートだな。すごく似合ってるよ。
          おっと、そんな事より、これからどこかに行く用事でもあった?」

典江(麻子):「あ・・・その・・家庭教師してた子が今日試験だから・・・」

雅仁:「へぇ〜、そうなんだ。で、おめかしして迎えに行くってわけ。」

典江(麻子):「・・・・はぁ・・・」

雅仁:「じゃあ、今日はもう時間が無いの?」

典江(麻子):「あ・・・そうじゃないけど・・・」

雅仁:「何時くらいまでOK?」

典江(麻子):「そ・・・それは・・・」
 

雅仁の質問攻めに、典江(麻子)はタジタジだ。
きっと同じ大学の学生なのだろう。
「素敵なお兄さん」とこんな風に話したことが無い典江(麻子)は、すっかり
緊張してしまった。
同じ中学生の男子なら適当に話すことも出来るのだが、相手が
大学生ともなれば・・・・

とにかく、バレないように典江のフリをしなければならないと思った麻子。
典江は雅仁の前では敬語を使わないらしいので、とりあえず敬語をやめて
思い切って話してみる。
 

典江(麻子):「えっと・・・多分試験が2時くらいに終わると思うから
                  それまでなら・・・」

雅仁:「そっか。じゃ、あまり時間が無いわけだ。俺さ、車だからちょっと
          別のところに行こうか。」

典江(麻子):「あ、うん・・・」

雅仁:「また向こうに戻らないと。ついてきてくれる?」

典江(麻子):「え、ええ。いいわ・・よ。」

雅仁:「じゃ、行こうか。」
 

そう言うと、そそくさと車を駐車しているところまで歩き始めた。
 

典江(麻子):「あっ、待って・・・」
 

典江(麻子)も慌てて雅仁の後ろをついていく。
黒くて長いブーツをコツコツを地面に響かせながら歩くのだが、
雅仁の足は速いのでなかなかついていくことが出来ない。
 

典江(麻子):「ねえっ、ま・・・待って・・・・よ。」
 

困った顔をしながら雅仁に話し掛ける。
 

雅仁:「そんなブーツ履いてくるからだろ。仕方ないなあ。」
 

そう言うと、典江(麻子)の手をギュッと握り、引っ張ってくれる。
雅仁の温かい手のひらの感触が典江(麻子)の手のひらから伝わってくる。
 

典江(麻子):「・・・・・」
 

典江(麻子)は言葉を失った。

赤面している・・・・
まるで恋人同士のよう・・・

始めは馴れ馴れしくて嫌な感じだと思っていたが、その容姿を見て
実際に話してみると、とても麻子の「好きなタイプ」なのだ。
こうやって手を繋いで歩くなんて、ちょっと考えられない。
いきなり現れた「王子様」に、麻子の心は舞い上がっていた。

ドキドキしながら手を繋ぎ、車の停めてある駐車場につく。
 

雅仁:「さあ、乗って。」
 

雅仁がドアを開けた車は、真っ黒いスポーツカーだった。
 

かっこいい・・・・
 

そう思いながらドアを開け、助手席に座る。
それを見た雅仁も運転席に座りエンジンを掛ける。
 

雅仁:「どこに行く?あまり時間も無いけど。」
 

ハンドルを握り、駐車場を出た雅仁。
 

雅仁:「遊びたい?それとも寒いけど海?それともいつもの所?」
 

話し掛けられた典江(麻子)は、ちょっとした優越感に浸っていた。
こんな男性にスポーツカーで遊びに連れて行ってもらえるなんて
夢のような話だ。
それに、ちょっとアブナイ経験も出来たりなんかして・・・・
麻子の妄想は徐々に膨らんでいた。
 

雅仁:「ねえ、聞いてる?」

典江(麻子):「・・・・・えっ、なに?」

雅仁:「えっ・・・て、全然聞いてなかったの?」

典江(麻子):「ご・・・ごめんなさい・・・」

雅仁:「これからどこに行くって聞いたんだよ。遊びに行きたい?
         それとも寒いけど海に行きたい?それともいつもの所?」

典江(麻子):「う〜ん・・・・いつもの所って?」
 

何も知らない典江(麻子)が雅仁に問い掛ける。
雅仁は少し恥ずかしそうな顔をしているようだ。
片手でハンドルを持って、空いた手で鼻をすすったあと、
少し咳払いをした。
 

雅仁:「・・・それを俺に言わせるのか?」

典江(麻子):「・・・・えっ?」

雅仁:「う〜ん・・・ほらっ、この前も行ったところじゃないか。」

典江(麻子):「この前って・・・・いつ?」

雅仁:「お前の誕生日だよ。」

典江(麻子):「誕生日・・・・典江さ・・・あ・・・私の?」

雅仁:「・・・・・もう分かっただろ。」
 

そんなことを言われても全然分からない。
雅仁が妙に恥ずかしがっているし、典江さんの誕生日に行ったところ・・・
もしかしてこの二人、大の大人のくせして遊園地にでも行ったのか?

それとも・・・

少し考えたあと、典江(麻子)が返事をした。
 

典江(麻子):「じゃあ、そこに行く?」

雅仁:「えっ・・・いいのか?まだ朝だってのに・・・」
 

雅仁が妙に驚いている・・・が、顔は少しにやけている。
そこに行くのがうれしいのだろうか?
 

典江(麻子):「うん・・・・別にいいよ。」

雅仁:「そっか・・・・お前がそういうなら・・・・」
 

雅仁は息を荒くしながら信号を曲がり、インターの方に向かった。
 

どこに行くのだろう・・・・
 

内心ドキドキしながらも楽しみだ。
でも、朝には行かないところなのかな・・・・
 

そう思いながら窓の景色を眺める。
ビルの間を走る道路には、多くの車が走っている。
こうやって車に二人きり。
こんな経験は生まれて初めてだ。
 

今ごろ典江さん、私の身体で試験受けてくれてるんだ・・・
典江さんには悪いと思いながら感謝する。
 

すこし走っていると、だんだん車の量も少なくなり、
インターに近づいてきたようだ。
 

雅仁:「この前のところでいいだろ。」

典江(麻子):「えっ・・・うん。」

雅仁:「でも珍しいよな、典江が朝から行ってもいいっていうなんて。
          いつも明るい時からは行かないのにさ。
          今日は何かあったのか?」

典江(麻子):「う・・ううん、何も無いけど・・・」
 

典江さん、明るい時には行かないところなんだ・・・
一体どこなんだろう・・・
 

そう思っているうちに、インターの入口が見えた。
 

典江(麻子):「高速道路に乗るの?」

雅仁:「何言ってんだ典江。ここじゃないか。」
 

雅仁はスピードを落として、インター横のわき道に入った。
そして、ウインカーを灯しながら、すぐ左にある建物の入口に車を
入れたのだ。
ビニールのカーテンが車の天井を擦ると、薄暗い駐車場が
広がっている。駐車場には数台の車が停車しており、
なんとなく怪しい雰囲気をかもしだしていた。
 

典江(麻子):「・・・・あ、あの・・・・・」

雅仁:「今日はこの前と違う部屋にしような。」
 

雅仁はゆっくりと車を進めた。

周りを見ながら、気に入った場所を探しているようだ。
 

雅仁:「う〜ん・・・よし、ここに決めた!」
 

そう言うと、ある駐車スペースにバックで器用(きよう)に停車した。
駐車場の壁には、綺麗な部屋の写真が大きく貼りだされていて、
休憩、宿泊の料金が書いてあった。
 

典江(麻子):「えっ?・・・えっ?・・・」
 

周りをキョロキョロと見ながら、驚いた顔をしている典江(麻子)。
 

雅仁:「さあ、早く降りて部屋に入ろうぜ。」

典江(麻子):「こ、ここってもしかして・・・・」
 

言いかけたところで、運転席側のドアをバタンと閉める音がした。
雅仁は既に外に出ている。
 

典江(麻子):「ここって・・・・ラブホテル?!」
 

あわてた典江(麻子)がカバンを持って、急いで車の外に出る。
車のドアを閉めたことを確認した雅仁は、リモコンのキーで
鍵を閉める。
 

雅仁:「早く行こうぜ。」
 

雅仁は既に駐車場の後ろにあった扉を開き、中に入って行った。
扉はすぐに閉まってしまう。
 

典江(麻子):「ちょ、ちょっと!まって・・・ここってもしかしてラブホテルじゃ・・・」
 

そう言いながら、早足で扉を開けて中に入った。
そこには雅仁が立っている。
 

典江(麻子):「あ、あのっ!」

雅仁:「典江っ!」

典江(麻子):「ここって、あっ・・・んんっ!」
 

雅仁は典江(麻子)の身体を強引に引き寄せると、
そのまま抱きしめて唇を奪った。
あまりの速さに、思わず目を見開いて雅仁を見る。
力強く抱きしめられる典江(麻子)。
雅仁の舌が、典江(麻子)の口の中に入ってくる。
 

典江(麻子):「んんっ・・・・んんん・・・・」
 

抵抗しようと腕に力を入れる・・・・が、全然びくともしない。
雅仁の手が、コートの上から典江(麻子)の背中を優しくさする。
ゾクゾクッとした気持ちよさが背中から伝わってくる。
雅仁の身体からはコロンのいい香りが・・・・
 

わ・・・私・・・・初めてキスしちゃった・・・・
 

典江(麻子):「んん・・・・・・ん・・・・・・」
 

雅仁を見ていた典江(麻子)の目が、ゆっくりと閉じてゆく。
いつの間にか、典江(麻子)も舌を動かしていた。
 

こ、これが・・・・ディープ・・・・キス・・・・なんだ・・・・
 

初めての体験に、足が震えている。
でも、決して嫌な感じではなかった。
 

典江(麻子):「・・・・・・ん・・・・・」
 

雅仁の唇が、典江(麻子)の唇からゆっくりと離れる。
透明な糸がスッと伸びてすぐに切れた。
 

雅仁:「部屋に入ろうか。」

典江(麻子):「・・・・うん・・・・」
 

顔を赤らめながら典江(麻子)がうなずくと、雅仁は
数メートル奥にあるき、綺麗な扉を開ける。
典江(麻子)も同じように歩いて、その扉の奥に
入って行った。
 

典江(麻子):「すごい・・・・」

雅仁:「どう?綺麗だろ。」
 

典江(麻子)は、初めて見たラブホテルの部屋に驚いた。
ブーツを脱ぎ、ロングコートを近くにあった椅子に掛けた後
ゆっくりと部屋の中を見回してみる。

かなり広い部屋は、明るいパステル調の壁紙がかわいい雰囲気!
白くてふかふかの絨毯に、どこかの国の王様が寝ているような
ふわふわの布団が敷いてある大きなベッド。
照明も小さなシャンデリアがついていて、何ともおしゃれだ。
 

典江(麻子):「綺麗・・・・・」

雅仁:「この前の部屋よりいいかもな。」

典江(麻子):「・・・・・・そう・・・・ね・・・」
 

この前の部屋と言われても、どんな部屋かよく分からない。
とにかく典江(麻子)は、始めて見たラブホテルの部屋に感動していたのだ。
 

典江(麻子):「ねえ見てよ、このベット。こんなにふわふわの布団が敷いてあるよ。」
 

典江(麻子)がうれしそうにベッドの上に座る。
 

雅仁:「ああ。」

典江(麻子):「こっちの部屋は何?」

雅仁:「そっちはバスルームじゃないかな。」

典江(麻子):「あ、ほんとだ!わぁ・・・すごい大きなお風呂・・・・泡も出てる・・・」

雅仁:「この前の部屋にもあっただろ。」

典江(麻子):「あっ・・・・そ、そうだっけ・・・・」

雅仁:「それよりさ・・・・先に風呂に入りなよ。」

典江(麻子):「えっ・・・・」

雅仁:「それとも一緒に入ろうか?」
 

雅仁が腕組をしながらバスルームの壁にもたれかかって典江(麻子)を見ている。
 

それを見た典江(麻子)は、ググッと現実に引き戻された感じがした。
 

そうだ・・・今、ラブホテルに来ているんだ・・・・

しかも雅仁という男と二人きりで・・・・

この状況で、する事って言えば一つしかない・・・

・・・ど・・・どうしよう・・・・
 

今更ながら、典江(麻子)は焦ってしまった。
今日、初めて逢った男性といきなりエッチをするのか?
しかも、典江さんの身体で・・・・

勝手にそんな事したら典江さんに怒られちゃう・・・
それに私のはじめての相手が典江さんの彼氏だなんて・・・
 

典江(麻子)が頭の中で色々な事を考えていると、
雅仁が後ろからそっと抱きしめた。
 

雅仁:「典江、どうしたんだ?」

典江(麻子):「・・・・・・」

雅仁:「こっちに来なよ。」
 

雅仁が抱きしめていた手を緩め、今度は肩に手を添えた。
そして、バスルームからベッドのある部屋に導く。
ベッドの前に立ち止まると、また典江(麻子)の後ろから
そっと抱きしめた。

雅仁:「今日の典江はいつもとは違ってすごくかわいいよ。
          そんな典江も俺は好きだよ。」
 

雅仁が後ろから耳元でそっとつぶやく。
そして、首筋に軽くキスをしながら、典江(麻子)の脇の下から
手を前に伸ばし、スーツのボタンをゆっくりと外していく。
 

典江(麻子):「あ・・・・・・」
 

首筋にキスをされた典江(麻子)の身体がピクンと震えた。
目の前で一つずつ外されるボタンをぼんやりと眺めている。
 

・・・・いいの?・・・・・私、こんな事して・・・・
 

ボタンが全て外され、スーツを脱がされる。
白いブラウスに包まれた二つの胸が、麻子の胸とは違う大人らしさを
強調していた。
その胸を、雅仁の両手が優しく包み込む。
そして、ブラウスの上からゆっくりと揉み始めるのだ。
 

典江(麻子):「ああ・・・・・・」
 

自分の物となっている典江の胸が揉まれている。

・・・男性に胸を揉まれるって、こんなに気持ちがいいの・・・・

雅仁の手の動きをじっと見つめる。
しばらく典江(麻子)の胸の柔らかさを堪能した雅仁の手が
ブラウスのボタンを2つほど外した。
 

雅仁:「また大きくなった?」
 

雅仁の右手が、ボタンを外したところからそっと忍び込んでくる。
その手は、ブラジャーの中に入って来て直接胸を揉み始める。
 

典江(麻子):「んんっ!」
 

典江(麻子)は、中で動いている手を止めようと自分の手で
ブラウスの上から押さえつけた。
しかし、雅仁の手は動きを止めない。
それどころか、指で胸の突起を摘むと、キュッ、キュッと
刺激しだしたのだ。
 

典江(麻子):「あっ・・・・ああ・・・・やめ・・・・て・・・・」
 

典江さんの身体なのに・・・・怒られちゃうよ・・・・

でも・・・・典江さんの身体って・・・・きもち・・・・いい・・・・
 

雅仁は、いつの間にか空いた方の手で
ブラウスのボタンを全て外していた。

スカートからブラウスの裾が引っ張り出される。
胸を揉んでいた手が手伝って、ブラウスを脱がされてしまう。

典江(麻子)の気が動転している間にも、雅仁の手が
スカートのホックを外してファスナーを下げ、スカートを
脱がせる。
 

典江(麻子):「ああ・・・そんな・・・」
 

白いブラジャーに黒いパンスト。
パンストに中で、たぶん白いであろう小さなパンティが
シワを作っている。
男性の前で下着姿をさらしている典江(麻子)。

典江としては慣れているのかもしれないが、その身体を
動かしているのは麻子。
麻子は初めて男性に下着姿を見られ、恥ずかしい気持ちで
いっぱいになっていた。
やっぱり足が震えている。
 

雅仁:「緊張してるのか?足が震えてるけど・・・・」

典江(麻子):「・・・・・・」

雅仁:「綺麗だよ、典江・・・・」
 

そういうと、後ろから優しくお腹を擦っていた両手が、
スッとパンストの中に忍び込んでくる。
 

典江(麻子):「っ!・・・・・」
 

声を出そうとしたときには、雅仁の両手がパンティの中にまで侵入していた。
そして、パンティを両手で左右に広げなら下に下にと進んで行き、典江(麻子)の
大事な所に差し掛かる。
 

典江(麻子):「やっ!」
 

思わず叫んでパンストの上に両手を添えてしゃがみ込む。
しかし、それにあわせて雅仁もしゃがみ込み、二人はふかふかの絨毯の上に
座り込む形になった。
雅仁の両手は、女座りした典江(麻子)の股間にはとどかなくなっている。
・・・が、雅仁はパンティの中から一度手を抜き、パンストの中をモゾモゾと
太ももに向かって這わせた。
そして、太ももの内側に手を添えると、一気に典江(麻子)の足を外に広げたのだ。
 

典江(麻子):「やんっ!」
 

その力に圧倒され、女座りしていた典江(麻子)の両足が左右に開く。
すかさず雅仁の両手がパンティの中に侵入し、こんどこそ大事な所を
刺激し始めた。
 

典江(麻子):「あっ!」
 

雅仁の何本もの指が、典江(麻子)の感じるところを執拗に攻めつづける。
 

典江(麻子):「あっ・・・んっ・・・・んんっ・・・・あはっ・・・・や・・・やぁ・・・・」

雅仁:「もうすごく感じてるんだな・・・」

典江(麻子):「んあっ・・・・や・・・やめ・・・・て・・・・あっ・・・は・・・はずかしぃ・・・」

雅仁:「いつもの事だろ・・・もっと気持ちよくしてやるからさ。」
 

雅仁の中指が、典江(麻子)の中にヌルッと入り込み、中をかき回す。
 

典江(麻子):「んああっ!・・・・はぁ〜・・・・あ〜・・・・あんんっ・・・」

雅仁:「今日はかなり感じているようだな。さっ、服を脱いでバスルームに行こう。」

典江(麻子):「んんっ・・・・・ふぅん・・・・」

・・・典江さんの身体・・・すごく気持ちいい・・・・
 

雅仁がパンストから手を抜いてブラジャーのホックを外す。
肩紐に手を掛けてスッと腕から抜くと、綺麗な胸がプルンと震えた。
 

雅仁:「お尻上げなよ。」

典江(麻子):「・・・・・んっ。」
 

典江(麻子)が床に両手をついてお尻を上げると、雅仁がパンストとパンティを
お尻から脱がせる。
そして、そのまま足首までずらしたあと、片方ずつ足から脱がせたのだ。
座ったままで全裸になった典江(麻子)。

恥ずかしいというよりも、気持ちが高ぶっていて何も考えられないといった
感じだ。目の前には、典江の見事なプロポーションをした身体がある。

・・・これが私の身体なんだ・・・・

雅仁が後ろで服を脱いでいる。
その間に典江(麻子)は、自分で胸を掴んでみた。
手の中には典江の吸い付くような肌をした柔らかい胸が・・・

硬くなった胸の突起が触ってほしそうにツンと立っている。
 

典江(麻子):「・・・・・」
 

細くて長い指で、胸の突起を刺激してみる。
 

典江(麻子):「ぁ・・・・・」
 

実は麻子、一人エッチをしたことが無い。
興味はあったが何となくいけないことだと思っていたので、
これまでは全然やっていなかったのだ。
それが、他人の身体とはいえ男性に触られ、しかもこうやって
自分で慰めようとしている。
麻子にとっては、何もかも「始めて」の体験であり、未知への
領域に足を踏み入れた感じがしたのだ。
 

雅仁:「なんだよ、自分で慰めてるのか。」

典江(麻子):「えっ!あ・・・う、ううん。ち、違う・・・・の・・・」
 

服を脱ぎ終わり、裸になった雅仁がしゃがんで後ろから覗き込んでいる。
 

雅仁:「まあいいか。とりあえず行こうぜ。」

典江(麻子):「・・・う・・・うん・・・・」
 

・・・典江さん・・・ごめんね・・・・
 

雅仁と典江(麻子)は、全裸でバスルームに入って行った。
歩くたびに上下に揺れる典江の胸は、麻子の胸とは
明らかに違っていた。それを嫌というほど感じる麻子。

バスルームの中は,ほどよりも少し湯気が出ていて、
うっすらと曇っている。

そんな中、雅仁が手早くムスコを洗うと、湯船の淵(ふち)に腰を下ろした。
両足を開いた状態で典江(麻子)の方を見ている。
初めて雅仁のムスコに視線を集中させた典江(麻子)。
 

典江(麻子):「や、やだっ。」
 

両手で顔を塞ぎ、恥ずかしそうに顔をそらす。
 

雅仁:「なんだよ、恥ずかしそうにしてさ。この前みたいにしてくれよ。」

典江(麻子):「・・・・こ、この前みたいにって・・・・」
 

両手で顔を隠したまま、雅仁に問い掛ける。
 

雅仁:「してくれたじゃないか。俺のムスコを。」

典江(麻子):「したって・・・・何を・・・・」

雅仁:「く・ち・で!・・・・なっ!」
 

指の隙間からチラリと雅仁の股間を見る。
雅仁のムスコが、中途半端に大きくなっているのが分かる。
 

・・・・やだ・・・・あれを口に咥えるの?・・・典江さん、そんな事してるの?
 

典江(麻子):「そ、そんな・・・・」

雅仁:「な、頼むよ。どうしたんだ?今日の典江はなんかおかしいぜ。」

典江(麻子):「だ・・・だって・・・」

・・・・私、典江さんじゃないもん・・・・

雅仁:「早く早く、このままじゃ風邪引いちゃうよ。」

典江(麻子):「・・・・・・」

・・・・典江さんのバカァ・・・・
 

典江(麻子)は、まだ恥ずかしそうに、でも両手は顔から離して
雅仁の前に歩いて行った。
 

雅仁:「しゃがんでよ、ねえ。」

典江(麻子):「・・・・・」
 

典江(麻子)は、ゆっくりと雅仁の前にしゃがみ込んだ・・・というか、
タイルに両膝をついたあと、正座した体勢になった。

雅仁の顔を見ると、早くしてほしいと目で訴えているように見える。

・・・ほ、ほんとにこれを咥えるの?

目の前にある雅仁のムスコを見ながら、まだためらっている。
すると、雅仁が両手で典江(麻子)の頭をそっと掴んだ。
そして、そのままムスコに顔が近づくように手前に引っ張ったのだ。
徐々にムスコが近づいてくる。

典江(麻子)は思わず身体に力をいれて、引っ張られるのを拒んだ。
雅仁の両手が引き寄せるのをやめる。
 

雅仁:「じゃ、手は出さないから。」
 

そう言うと、典江(麻子)の頭から両手を離し、湯船の淵に置いた。

・・・こんな事するなんて・・・・ほんとに典江さんやってたの?
はずかしいよ・・・
 

でも、典江が普段している事なら拒む事は出来ない。
自分のせいで二人の仲が壊れる事だけはしてはならないから。

意を決した典江(麻子)は、自分からムスコに顔を近づけた。
両手を雅仁の太ももにあてがうと、そのままムスコをそっと
口の中に導く。
 

雅仁:「んっ・・・・」

典江(麻子):「んっ・・・・」
 

口の中に雅仁のムスコが入ってくる。

・・・・生温かい・・・・

そう思いながらムスコを咥え込むと、上目使いで雅仁の顔を見る。
 

雅仁:「うん。そのまま前後に動いて。」
 

典江(麻子)は、言われたとおり頭を前後に動かした。
ムスコが典江(麻子)の口の中を出たり入ったりする。
 

典江(麻子):「ん・・・・んふっ・・・・んん・・・・」

雅仁:「う・・・はぁ・・・・いいぜ・・・・ああ・・・いい気持ちだ・・・・」
 

・・・・こんなことされて気持ちいいんだ・・・・
 

口の中でみるみる大きく硬くなるムスコ。
歯が当らないようにしながら、優しく咥え込む。
 

雅仁:「ああ・・・・いつもより・・・・気持ちがいいな・・・もうイキそうだ・・・」
 

・・・・えっ?イクって?まさか口の中で?
 

焦った典江(麻子)が雅仁の顔を見ると、雅仁は両手で典江(麻子)の
頭の動きを止めた。
 

雅仁:「やばいやばい、後は風呂の中で・・・・」
 

そう言うと、典江(麻子)の口からムスコを外した。

・・・・よ、よかった・・・・

ホッとした典江(麻子)。
雅仁はそのまま泡の出ている湯船に浸かって座り込んだ。
 

雅仁:「来いよ。」
 

雅仁が湯船に浸かれと言っている。
 

典江(麻子):「う、うん・・・・」
 

典江(麻子)も、同じように湯船に浸かろうとした。
すると、雅仁が手を引っ張って引き寄せる。
 

雅仁:「俺の上に座れよ。」

典江(麻子):「えっ・・・・」

雅仁:「いいから俺の足を跨いで座ってくれよ。」

典江(麻子):「う、うん・・・・」
 

典江(麻子)は、雅仁に背を向けると、そのままゆっくりと腰を下ろし始めた。
お尻がお湯に浸かり始めたとき、雅仁が両手で典江(麻子)の腰を掴む。
そして、ゆっくりと自分の方に引き寄せながら身体を沈めさせた。
 

典江(麻子):「あ・・・・」
 

腰の辺りまでお湯の中に使ったとき、大事な所に何かが当った感じがした。
 

雅仁:「バッチリの位置だな。そのままゆっくりと腰を下ろすんだ。」

典江(麻子):「・・・・・」

・・・・やだ・・・・これってまさか雅仁さんのムスコ・・・・それじゃあ・・・・
 

典江(麻子)の勘は的中した。
身体を沈めるにつれ、ヌルッとした感触と共にムスコが中に入ってきたのだ!
 

典江(麻子):「あっ・・・・や・・・やだ・・・・」
 

そう言っている間にも、どんどんムスコが中に入ってくる。
お腹を突かれる感覚と共に、快感が身体を駆け巡る。
 

典江(麻子):「はあっ・・・・ああ・・・・」
 

典江(麻子)のお尻に、雅仁の太ももが当った。
完全に雅仁の上に座り込んだのだ。
 

雅仁:「全部入ったな。」

典江(麻子):「んん・・・・・・」
 

雅仁は腰を掴んでいた両手を、典江(麻子)の脇の下から前に出し、
前から典江(麻子)の肩をギュッと掴んだ。
そして、そのまま典江(麻子)の身体が下に沈むように力を入れたのだ。
 

典江(麻子):「うあっ!・・・・ああ・・・・あああ・・・」
 

身体を下に押さえつけられたので、雅仁のムスコが更に身体の奥まで
入ってくる。ムスコがもうこれ以上入らないといった壁にぶち当たっている。
 

典江(麻子):「ああんっ・・・・やめ・・・・て・・・・い・・・・痛い・・・・」

雅仁:「ごめんごめん。奥まで入り込みすぎたか・・・」
 

肩から手を離すと、そのまま下の胸を掴み揉み始める。
雅仁の手によって、無造作に形を変えられている典江(麻子)の両胸。
 

典江(麻子):「あっ・・・・ん・・・んんっ・・・・」
 

中にムスコが入ったまま、両胸を揉まれる。
女性として生まれてきて、初めて感じる快感。

・・・・こ、こんなに気持ちがいいの・・・・

そう思いながら、雅仁に身をゆだねる。
 

雅仁:「ねえ、湯船の淵を掴んで四つん這いになってよ。」

典江(麻子):「ふ・・・ふぅん・・・・」
 

色っぽい返事をしながら湯船の中で膝をつき、前の淵を両手で掴む。
湯船から腰が上がるが、雅仁もムスコが抜けないよう、それに合わせて移動する。
湯船で膝をついて四つん這いになった典江(麻子)の後ろで、
同じく膝をついて立ち上がった雅仁。
典江(麻子)のお尻と雅仁の下腹部はずっとくっついたままだ。

雅仁が典江(麻子)の腰を掴む。
 

雅仁:「じゃ、行くぜ。」

典江(麻子):「ん?・・・・・あっ!あっ、あっ、あっ・・・」
 

パンパンと音を響かせながら、雅仁の下腹部が典江(麻子)のお尻を叩いている。
 

雅仁:「あ・・・はぁ・・はぁ・・はぁ・・」

典江(麻子):「あっ・・・ああっ・・・はっ・・・あ・・・ああん・・・・」
 

お湯が大きな波を作り、湯船から飛び出している。
 

典江(麻子):「あんっ・・・・あんっ・・・あっ・・・あっ!」

・・・す・・・すごい・・・こ・・これが・・・エッチする・・・・こと・・・なの・・・・・
 

快感が身体を駆け巡る。
こんなに気持ちがいい事だなんて知らなかった麻子。
湯船の淵を持っている手が、ガクガクと震える。

ふと胸を見ると、大きく前後に揺れている。
典江(麻子)は、片手でその胸を掴んでみた。
すると、胸からも強烈な快感が伝わってくるのだ。
 

典江(麻子):「あっ・・・あはっ・・・・い・・・いい・・・・・」
 

胸の突起を摘みながら、背筋をグッと反らす。
自然と顔が上を向き、快感が最高潮に達する時を
知らせている。
 

・・・・の・・・典江さんの身体・・・・すごく・・・・きもちいい・・・・
 

申し訳ないという気持ちが快感を得たいという気持ちに
負けている。
典江(麻子)は、雅仁にされるがままだった。
 

雅仁が激しく腰を動かすと、二人はどうしようもない快感を
得ることが出来るのだ。
 

典江(麻子):「ああっ!や・・やんっ・・・あ・・あん・・・んんん・・・あっ、あっ、あっ。」

雅仁:「あうっ・・・ああ、も・・もうだめだ!」
 

雅仁が最後の力を振り絞る。
 

典江(麻子):「ふあっ・・・あ、あ、あ、ああ、んん・・あっ、あっ、あっ、あああああ〜っ!」

雅仁:「はあっ・・うっ・・く・・・ううっ・・・・あああっ!」
 

雅仁がムスコを典江(麻子)の中から抜くと、そのまま手を使って
典江(麻子)の背中にフィニッシュを迎える。
典江(麻子)も全身に力が入り、身体をビクビクと震わせた。
 

典江(麻子):「ああ・・・・あ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・・・はぁ・・・」

雅仁:「んぐっ・・・・うっ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・はぁ・・・・」
 

二人とも息を乱しながら湯船に座り込む。
額からドッと汗が噴き出している。
 

典江(麻子):「はぁ・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・」

雅仁:「はぁ・・・・・はぁ・・・・ふぅ・・・・」
 

しばらく余韻を楽しみながら、呼吸を整える。
 
 

そして数分後・・・
 
 
 
 

雅仁:「あ、熱い・・・・シャワーを浴びて外に出よう。」

典江(麻子):「うん・・・」
 

二人はシャワーを浴びたあと、バスタオルを身体に巻いて部屋に出た。
ベッドのごろんと横になる。
 

雅仁:「大丈夫?」

典江(麻子):「うん・・・」

・・・・典江さん、いつもこんなに気持ちいいことしてるのかな・・・・

雅仁:「じゃ、もう一回しようぜ。」

典江(麻子):「・・・・・うんっ。」
 

そう言うと、二人はベッドの上で長い長いキスをした・・・・
 
 
 
 
 

・・・・そして、数時間の時が流れた。
 
 
 
 

タンタランタタンタランタ・・・・
 

二人、ベッドで横になって休んでいると、
典江(麻子)のカバンに入れてある携帯に電話がかかってきた。
 

典江(麻子)は、携帯を手にとり、誰からかかって来たのか確かめた。
 

あ、典江さんだ・・・
 

自分の携帯からかかってきた事を確認した典江(麻子)は、とりあえず電話に出た。

典江(麻子):「もしもし。」

麻子(典江):「もしもし。麻子ちゃん。」

典江(麻子):「はい。典江さ・・・じゃなかった、麻子ちゃん。」
 

雅仁に気付かれないよう、典江のフリをして話す。
 

麻子(典江):「そうよ。あなた、自分の声も忘れちゃったの?」

典江(麻子):「そんな事ないけど。いつも聞いている声となんか違う感じだから。」

麻子(典江):「そりゃ、いつも自分が聞いている声と録音した声じゃ、聞こえ方が違うのと同じでしょ。」

典江(麻子):「そっか。」

麻子(典江):「それよりもう試験終わったよ。」

典江(麻子):「えっ。もう終わったの?」

麻子(典江):「もう終わったのって・・・今2時30分だよ。」

典江(麻子):「う、うそっ!」
 

あわててベッドの上に置いてある時計を見てみる。確かに2時30分だ。
 

典江(麻子):「ほ、ほんとだ。いつの間にこんなに経っちゃったんだろう。」

麻子(典江):「いいから早く元に戻りましょうよ。」

典江(麻子):「うん、分かったよ。じゃあ私の家に来て。」

麻子(典江):「分かったわ。私のほうが早いと思うから、先に行って待ってるよ。」

典江(麻子):「うん。すぐに帰るから。」
 

そう言って電話を切った。
 

典江(麻子):「ねっ。試験が終わったみたいなの。急いで送ってくれない?」

雅仁:「もう時間なのか。早いな。」

典江(麻子):「うん・・・・ね、お願い。」

雅仁:「分かったよ。」
 

二人は急いで服を着替えると、支払いを済ませて車に乗り込んだ。

そして、麻子の家の近くまで送ってもらったのだ。
 

典江(麻子):「ここでいいわ。」

雅仁:「ああ。また明日会えるか?」

典江(麻子):「それは・・・分からないけど、時間が出来たら電話するから。」

雅仁:「ああ、分かった。」
 

典江(麻子)が車から降りると、軽くクラクションを鳴らしてどこかに走り去って行った。
 

典江(麻子):「30分も経っちゃった・・・・典江さん、もう戻っているかな・・・」
 

典江(麻子)は、急ぎ足で麻子の家に向かった・・・・
 
 
 

・・・・その数分後。
 
 
 

典江(麻子)が麻子の家に到着した。
ちょうど麻子(典江)が玄関を開けようとしていたところに典江(麻子)が帰ってきたのだ。
 

典江(麻子):「どうだった、試験の方は?」

麻子(典江):「多分大丈夫。問題は少し違ってたけどね。」

典江(麻子):「そう、よかったぁ。」

麻子(典江):「はやくお母さんに報告しないと。」

典江(麻子):「うんっ!」

麻子(典江):「試験は大丈夫だったって言っていいよ。」

典江(麻子):「どのくらいの確立なの?」

麻子(典江):「ほぼ100%と思っていいわ。」

典江(麻子):「すごいじゃない、典江さん。さすが大学生。頭のよさが違うよね。」

麻子(典江):「もう、そんなに誉めたってだめよ。これからはあなた自身が頑張らなくちゃならないんだから。」

典江(麻子):「わかってるよ。じゃ、私の部屋で元に戻りましょ。」

麻子(典江):「ええ。」
 

二人は母親に気付かれないように玄関のドアを開け、麻子の部屋に入った。
そして、身体を元のとおりに入れ替えた。
 

麻子:「お母さんに報告してくるよ。」

典江:「ええ。早く言ってきなさい。」

麻子:「うん!」
 

麻子はうれしそうに母親に伝えに言った。
だが、典江には少し不安が残っていた。

典江:「試験は大丈夫なんだけど・・・心配しすぎかなあ・・・・」

しかし、典江の心配事は的中してしまったのだ・・・・
 
 

試験から数日後、麻子の家に一本の電話がかかってきた。
 

母親:「はい。そうですが・・・えっ!もう一度ですか。はい・・・はい・・・・わ、わかりました。すぐに連れて行きます。」
 

電話を切った母親は、急いで麻子に伝えた。
 

母親:「麻子。今からすぐに高校へ行くわよ。」

麻子:「今から?どうしてなの。」

母親:「何でももう一度確かめたい事があるって言ってたよ。」

麻子:「確かめたい事?」

母親:「ええ。詳しい事は言わなかったから分からないけど、とりあえず急いで高校へ行きましょう。」

麻子:「お母さんも行くの?」

母親:「だって一緒に来るように言われたから。」

麻子:「そうなの・・・・」

何の事だか分からないまま、二人は高校に行った・・・
 
 
 

教員:「麻子さんと、お母さんですか。」

母親:「はい、そうです。」

教員:「実は、ちょっと見てもらいたいものがあるんです。」

母親:「はあ。」

教員は、受験票と解答用紙を目の前に出した。

母親:「これは・・・」

教員:「先日行った試験の解答用紙と受験票です。」

母親:「これが何か?」

教員:「よく見てください。あまりにも字が違いすぎませんか?」

母親:「そ、そう言えば・・・・」
 

麻子の心臓は飛び出しそうなほどドキドキしていた。
麻子と典江の筆跡が明らかに違うのだ。
 

教員:「麻子さん。この解答用紙はあなたが書いたんですか?」
 

麻子:「は・・・はい・・・」

教員:「それにしても名前のところは明らかに字が違いますよね。これはわざとこうやって字を書いたんですか。」

麻子:「はい・・・き、緊張しちゃって・・・」

教員:「そうですか。それならいいんですけど。」

麻子:「そ、そうですか・・・・」
 

額に冷や汗を掻きながら麻子が答えた。
 

教員:「でも、一度解いた問題ならもう一度解けますよね。」
 

手に汗がにじんでくる。
 

麻子:「も、もう一度・・・」

教員:「この回答は100点でした。相当勉強したようですね。なら、同じ問題だからすぐに解けるはず。
          だって、30分もしないうちに解いて、机に伏せて寝てたって試験官が言ってましたから。」

麻子:「・・・・・」
 

額の汗が頬を伝って流れ始める。
 

母親:「ひゃ、100点ですか。すごいじゃない麻子。あんたもやれば出来るんだねぇ。」

うれしそうに母親が話している。
 

教員:「ここに問題用紙があります。今、私達の前で解いてみてください。いや、2、3問で結構ですから。」
 

封筒から問題用紙を取り出した教員は、麻子の前に鉛筆とともに置いた。

麻子:「あ・・・あの・・・・・」

頭の中が真っ白になる。
こんな問題、解けるわけが無い。
 

母親:「同じ問題なんでしょ。すぐに出来るわよね。」

教員:「何だったら私は部屋から出ましょうか。10分経ったら戻りますから。」

麻子:「そ、そうしてもらえますか。」
 

クラクラする頭で精一杯の会話をした。
 

教員が答えの書いている解答用紙を持って部屋を出る。

しんと静まり返った部屋で、麻子が話を始めた。
 

麻子:「お母さん・・・・」

母親:「何?」

麻子:「私、この問題解けないんだ。」

母親:「えっ。」

麻子:「この問題、始めて見るの。」

母親:「初めてって・・・この前の試験問題じゃないの?」

麻子:「ううん。試験問題だと思うよ。」

母親:「だったらどうして?」

麻子:「だって私が受けたんじゃないもん。」

母親:「・・・・・どういう事?」

麻子:「典江さんが・・・典江さんが受験したんだ。」
 

麻子の目にぶわっと涙が溢れ、一気に頬に流れる。
 

母親:「典江さんが・・・でも、あなたが受験したんじゃないの?」

麻子:「グスッ・・・身体は私、中身は典江さん。」

母親:「ええっ?」

麻子:「実は・・・・」
 

麻子は泣きながらこれまでの出来事を母親に話した。
 

母親:「・・・信じられないわ。」

麻子:「そうだと思うけど・・・・本当なの。だから私の実力で問題を解いたわけじゃないの。」

母親:「もしそれが本当なら、不正をしたっていうこと・・・」

麻子:「・・・うん。」

母親:「あなたはそれで受かっても良かったの?」

麻子:「よ、よくは無いけど。でも・・・お母さんの悲しむ顔も見たくなかったし、典江さんがせっかく教えてくれてたのに
          私の努力が足りない事で不合格になるのも申し訳なかったし。」

母親:「でも、やっていい事と悪い事があるでしょ。」

麻子:「うん。分かってる。私、もうこの高校には入らない。もう一度ちゃんと勉強して、自分の力で合格するよ。」

母親:「・・・・本気で勉強する?」

麻子:「うん。もう一度やり直すよ。だからさっきの先生にもきちんと話すから。」

母親:「大変よ。一年遅れるのは。」

麻子:「うん。でも一年も時間があるから。私でも頑張れば何とかなるよ。」

母親:「そう・・・・」
 

母親は麻子の真剣な言葉にニコリと微笑んだ。
 

母親:「いいわ。私がこの問題解いてあげるから、麻子ちゃんが解答用紙に書きなさい。」

麻子:「・・・・えっ!?」

母親:「私は一度この問題を解いているからすぐに解けるの。」

麻子:「ど、どういう事?」

母親:「こうなる事は予想していたの。だから・・・・あなたのお母さんと入替わったのよ。」

麻子:「お母さんと?」

母親:「ええ。麻子ちゃんの家で。お母さんにあらかじめお話していたの。それでもし高校から電話があったら
          私に教えてほしいって。高校に着いてから、お母さん、トイレに言ったでしょ。あのときにこの玉で。」

麻子:「それは!」

母親が持っていたのは、麻子が机の引き出しに閉まっていた、あの入替わる事ができる綺麗な玉だった。

麻子:「じゃあお母さんは・・・典江さん!」

母親:「そう。典江よ。」

麻子:「典江さんっ!」

麻子は、母親と入替わった典江に抱きついた。

母親:「さっきの話、本当よね。」

麻子:「うん。一生懸命勉強するから。」

母親:「じゃあ、早くこの問題の解答を書いて。もうすぐさっきの先生が来るから。」

麻子:「分かった。」

母親:「できるだけ私が書いた字に似せて書いてよ。でないと、またおかしな話になるから。」

麻子:「うん。」
 

麻子は母親(典江)の言うとおりに解答を書いた。
全てを書き終った後、教員が部屋に入ってきた。
 

教員:「すごい・・・・これ、今、全部解いたんですか・・・」

麻子:「ええ、一度解いた問題ですから。」

麻子はうれしそうに母親の顔を見ながら答えた。
その向こうにいる典江に感謝しながら・・・・
 
 

そのころ、典江の身体になった母親は・・・・
 

典江(母親):「いいわあ。この身体・・・若いってすばらしいわねえ。」

トイレで典江の身体を堪能する母親であった・・・・
 
 
 
 
 
 

受験は任せたからね!(特別編)・・・・終わり
 
 
 
 

あとがき

この特別編は、ある方からのリクエストで書くことになりました。
複数のストーリーを考えていたうちの一つで、
エッチな展開になっています。
でも、このお話、よく考えてみるとTSじゃないですよね(^^;
女同士の入れ替わりだから・・・・

折角なら雅仁と入れ替わってもよかったかもしれません。
まあ、今回はこの辺で許してくださいね(^^

さてさて、典江の身体で雅仁とエッチをしてしまった麻子。
実はそのあと、ちゃんと典江に説明していました。
 

麻子:「ねえ、典江さん。」

典江:「んん?」

麻子:「重山 雅仁さんって知ってる?」

典江:「重山 雅仁・・・・あ、雅のこと?どうして彼の事知ってるの?」

麻子:「実は、身体を入れ替えている時に電話があったんだ。」

典江:「雅から?」

麻子:「うん。」

典江:「雅って私の彼氏なの。かっこいいんだから。会わせてあげよっか。」

麻子:「それが・・・もう会ったの。」

典江:「え、そうなの。」

麻子:「うん・・・・・」

典江:「ばれなかった?身体を入れ替えていた事。」

麻子:「それは大丈夫だったんだけど・・・」

典江:「そっか・・・・何か言ってた?」

麻子:「典江さん・・・」

典江:「ん?」

麻子:「ごめんなさい・・・・」

典江:「・・・・何が?彼と何かあったの?」

麻子:「実は・・・」
 

こうやって、本当のことを典江に話したのでした。
 

典江:「・・・・そっか。しちゃったんだ・・・私の身体で。」

麻子:「・・・・・うん・・・」

典江:「・・・・仕方ないね。なりゆきと言えばなりゆきだし・・・」

麻子:「・・・・」

典江:「でも、ちょっと嫌だな。」

麻子:「・・・ごめんなさい。」

典江:「うん、いいよ。麻子ちゃんも自分なりにフォローしてくれたんだよね。」

麻子:「・・・・・」

典江:「彼とうまくつじつまを合わせるから。心配しないで。」

麻子:「・・・・ごめんなさい。」

典江:「いいから。またちゃんと彼を紹介するね。」

麻子:「・・・・うん。」
 

こんな感じですね。
やっぱり自分の身体で彼氏とエッチされるのは嫌な感じがするのでしょう。
私は嫌ですけど(^^;
 

それでは最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。

Tiraより
 
 
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