いきなり生えてきたアレ(その4)
 
 
 

駅から約15分。
だんだんと暗くて細くなる道を歩いてゆくと、竹川 伴子先輩の家に辿り着く。
途中、犬に追いかけられそうになって走ったから、妙に息が上がっていた。
裸足だから足の裏がジンジンして痛い。
 

「はあ、はあ……参ったな。でも何とかここまで来たぞ。えっと……竹川って書いてある。ここだよな」
 

表札を確認して家の様子を伺う。
二階建ての一軒家。
大きくもなく小さくもない家だ。白い壁が月明かりに照らされて周りが少し明るく見えている。
 

「ふぅ。よし、早速家に上がらせてもらおう」
 

と言った富雄は家の敷地に入るため、腰くらいまでの高さしかない鉄製の門を開いたあと、少し奥にある木製の
玄関扉の前まで歩いた。
その扉の横に付いているインターフォンの丸いボタンを押す。
 

ピンポ〜ン!
ピンポ〜ン!
 

部屋の中でチャイムのなる音がした。
すると、スリッパを履いて歩いているような足音が徐々に近づいてきて、パッと玄関の電気がついた。
 

「どちら様ですか?」
 

こんな夜に人が尋ねてくるなんて滅多にないことだ。
電気をつけた人物は扉を開けず、その扉越しに外の様子を伺っている。
 

「あの〜。警察ですけど、今パトロール中でして少しお伺いしたい事があるのですが」
 

富雄はそう言った。すると、ノブが回って木製のドアが少し開いた。
 

「警察ですか?」
 

中から出てきたのは中年の女性だ。きっと伴子先輩のお母さんなのだろう。
警察と言われてもチェーンをつけたまま、あまり扉を開かずに外を見ている。
 

「はい。そうです、竹川さん」
 

富雄の声だけが玄関先から聞こえる。
 

「え?」
 

伴子先輩のお母さんはその声の主を確かめようと、チェーンを外して更に扉を開け玄関の外を見渡した。
その扉から出てこようとしたお母さんの身体に、透明な身体をヌッと忍ばせた富雄。
 

「おかしいわ。人の声がしてたのに……」
 

いくら周りを見ても人の姿は見えない。そして気配すら感じないのだ。
 

「やだわぁ」
 

気味が悪くなったお母さんは、すぐに扉を閉めるとチェーンをかけて鍵をした。
そして首を傾げながら、家の中へと戻っていったのだった。

さすがに中年のおばさんでは興奮しない。ムスコが股間に生えても反応せず、小さくなったままだ。
家の中に入れたので、お母さんが股間に違和感を感じる前に身体から抜け出た富雄。
まっすぐ廊下を歩いていくお母さんの背中を見送ると、手前にあった二階へと通じる階段を上ってゆく。
階段がきしまないようにゆっくりと。
 

「大体二階にあるよな。子供の部屋って」
 

自分の家がそうであるように、他人の家もそうだと思っている富雄。
今回はその考え方が当たっていたようで、階段を上ったすぐ横にある扉には
『TOMOKO』という木で作られた可愛いアルファベットの文字がついている、コルクボードが掛かっていた。
 

「よおし。この部屋か」
 

嬉しそうに小さく呟いた富雄は、音がしないようにそっとドアに片耳をつけてみた。
ドアの向こうからは何も聞こえない。
寝ている可能性が非常に高いのだが、もしかしたら本を読んだりしているかもしれない。
別に起きていても富雄の身体は見えないからバレる訳ではない。でも、さっきのお母さんの事もあるから、
幽霊だとか妙なことを考えて騒がれるのも困るので、
ここは慎重に行動を取らなければならないと富雄は思っている。
 

「ゆっくり、ほんとにゆっくりと……」
 

富雄はドアノブに手をかけると、音が出ないようにとてもゆっくりとノブを回した。
そして、ある程度回したあと、そっとドアを押し始める。
 

――キキキキ――

小さく扉がきしむ音。
 

「…………」
 

徐々にドアが開くと、部屋の中が少しずつ見え始めた。
廊下の電気の明かりが部屋の中へ射しこむ。
どうやら部屋の中は真っ暗で電気はついていないようだ。
と言う事は、ほぼ眠っていると考えてよさそう。
 

「…………」
 

それでも緊張しながら、更にドアを開く。
富雄は15センチほど開くと、その隙間に頭を入れて部屋の中の様子を伺った。
物音一つしない部屋。
カーテンも締め切っているので本当に真っ暗だ。
 

「よ、よし……」
 

もう少し扉を開いた富雄は、すっと部屋の中に入るとゆっくりとドアを閉めた。
廊下からの光が遮られ、また真っ暗になる。
 

「…………」
 

部屋の中を見回す富雄。
徐々に目が慣れてきて、薄暗い部屋の中を窺(うかが)い知る事が出来る。
カーテンの生地を通して、月の光がほんの少しだけ部屋を照らしているようだ。
そのカーテンを閉めているガラス戸の下にベッドがあり、掛け布団が人の形に膨れ上がっているのが分かる。
きっと伴子先輩が寝ているのだ。
 

ゴクン……
 

「そっと……そっと……」
 

ドキドキしながら、ゆっくりと足音を立てないようにベッドに近づいた富雄。
掛け布団の上から、伴子先輩の小さな頭が少し見えている。
 

「と、伴子先輩だ」
 

小さく呟いた富雄はそっと掛け布団に手をかけると、伴子先輩を起こさないように非常にゆっくりと捲ってみた。
すると、伴子先輩の寝顔が現れ、さらにパジャマを着た身体が現れ始めたのだ。
 

スー、スー……
 

伴子先輩の寝息だ。
 
 

ゴクン……
 

ツバを飲み込んだ音が妙に大きく聞こえる。

慎重に足元まで掛け布団を捲った富雄の目の前に、ベッドの上で横を向いて背中を丸めながらぐっすりと眠っている伴子先輩の
身体が横たわっている。
背中がゆっくりと動いている。深い呼吸をしている証拠だ。
 

「よ、よし。それじゃあ……さ、さっそく……」
 

鼓動をドキドキさせながら、ベッドに横たわっている伴子先輩の横に寝転がると
ミシ……ミシ……とベッドのスプリングが少しだけ軋む。
 

起こさないように……
 

目の前にある伴子先輩の背中。
その身体ににじり寄り、透明な身体を重ね始めた富雄。
すごく緊張する。
 

「ハァハァ」という富雄の息遣いで起きてしまいそうな気がする。

ゆっくりと足を前に出して、伴子先輩の足の中に入れてゆく。
薄暗いし、元々透明な身体なのでどうやって入っていくのかは見えないが、千紗や先生達のように
身体の中に入っているという感覚は分かる。
その後、腰を前に突き出すようにして伴子先輩の腰に埋め込んでゆく。
自分の身体は見えないが、伴子先輩の腰から自分が生えている様な感じがして妙なアングルだ。
 

ドキドキ……
 

何も気づかず、可愛い寝息を立てている伴子先輩を抱きしめるようにしながら
上半身を前に押し出し、その小さな背中にめり込ませる。
 

伴子先輩:「んん……」

ドキンッ!
 

伴子先輩の口から小さな声が漏れた。
起きたのかと思ったが……大丈夫だったようだ。

透明な腕を伴子先輩の腕に重ねると、後は頭だけ。
すでに伴子先輩の股間には、弾けんばかりの富雄のムスコが生えているのだ。
 

富雄:「はぁ……はぁ……はぁ……ゴクン……」
 

またツバを飲み込んだ富雄。
シャンプーのいい香りが漂う伴子先輩の後ろ髪に鼻をつけるように、いや、更には伴子先輩の
後頭部にねじ込むようにしながら、ゆっくりと頭を前に移動させた――
 
 

そして、全てが伴子先輩の身体に入ったと思った時、ふと温かい感覚を身体中に感じた。
それは服を着ている感覚。
いつの間にか目の前が真っ暗になっていたのでゆっくりと目を開けると、枕の輪郭が見えて
その向こうには部屋の壁が見えていた。
顔を動かさず、目だけを動かして周りの様子を伺う。
 

「…………」
 

この風景は――
 

伴子先輩の目からしか見る事が出来ないアングルだろう。
そう思った富雄は、今自分の意思で見ている景色は伴子先輩の目を使って見ているのだと確信した。
たまらずニヤリと微笑んだ富雄。

そして、何も言わないまま仰向けになると、両手を股間へと移動させた。
わざと身体を見ないように、薄暗い天井を見つめている。
パジャマのズボンをモッコリと盛り上げているものは富雄のムスコ。
それをパジャマの上から両手で触れてみた。もちろん伴子先輩の両手で。
固くなったムスコを、パジャマの生地ごと右手でゆっくりとしごいてみると
ムスコの首のところにパンティのゴムが当たっているようでちょっと違和感を感じた。
 

「……ぅ」
 

空いている左手がスルスルと上にあがってゆき、伴子先輩の左胸に添えられる。
パジャマ越しに触れている伴子先輩の盛り上がった胸。
その添えられた左手をゆっくりと動かしてみると、とても柔らかい感触が手のひら一杯に伝わってきた。
ムスコがビクンと震える。
 

「…………」
 

富雄はわざと声を出さないようにして、今度はパジャマのズボンの中に右手を忍ばせてみた。
パンティから頭を出しているムスコを、伴子先輩の右手で優しく撫でてやる。
さらに左手でパジャマの裾を捲った富雄は、ブラジャーをせり上げると直接伴子先輩の胸を揉み始めた。
 

ビクビクッ――
 

「……ぅぅっ……」
 

今、伴子先輩の胸を揉み、そして伴子先輩に付いているムスコを撫でているのだ。
しかも伴子先輩の手で。
 

伴子先輩の心臓を激しく脈打たせている富雄は、ムスコを直接握り締めると、いきなり激しくしごき始めた。
ムスコを隠していたパジャマのズボンとパンティが太ももまで下がっている。

伴子先輩の柔らかい右手に握られたムスコ。
左手で胸の突起を摘むと、ビクンと身体の芯まで震えるような気がする。
 

きもちよすぎるっ――
 

その一言に尽きた。
 

「はぁ、はぁ、はぁ……」
 

薄暗い部屋の中、布団が擦れる音と伴子先輩の可愛らしい息遣いだけが耳に聞こえる。
自分が息をするたびに、伴子先輩の口から可愛らしい息遣いが漏れるのだ。

身体を横に向け、猫のように丸めながら富雄のムスコを必死にしごいている伴子先輩の姿がそこにあった。
 

「はぁ、はぁ、はぁ……うっ……うううっ!」
 

ビクンッ!ビクンッ!ビクンッ!
 

何度か大きく身体を震わせた伴子先輩。
その瞬間、右手に握られたムスコから白い液体がほとばしっていた。
敷布団の上に散らばった白い液体。
そして、握っている右手にもべっとりとついている。
 

「はあっ……はぁっ……ふぅ〜」
 

幸せそうな伴子先輩の表情。
しっかりと目的を果たした富雄だったが、しばらく余韻を楽しんだ後、
更なる欲望を満たすために伴子先輩の身体を起き上がらせた――
 
 
 
 

いきなり生えてきたアレ(その4)……おわり
 
 
 
 

あとがき

完全に私の趣味の世界に走っています(笑
ドキドキしながら伴子先輩の身体に入り込んだ富雄。
伴子先輩の股間に生えたムスコを、声を出さずにしごいてイッてしまうところなんて
後々伴子先輩の声を楽しもうとしているのが見え見えですね(^^;
さて、次回も私の趣味が続きます(笑
趣味と言っても、私がしているわけじゃないですよ!
妄想の世界です。妄想の!!

しかし富雄は若いなあぁ。
一体一日で何回するつもりなんだろう(笑

それでは最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。
Tiraでした。 inserted by FC2 system