無事事故に巻き込まれる事無く、自分の家に戻った富雄は、
部屋に戻ると、学校での事を振り返った。
 

富雄:「面白い効果があったな。まさか身体を操ることが出来るなんて。でも意識が無い時しかダメなのか……」
 

透明な身体のままベッドに横になる。
天井の木の節目を見ながら、この薬でどう楽しもうかと模索する富雄。
意識が無い状態……それは寝ている時だって同じ事だ。
だから、寝ている女性の身体に入り込めば自由に身体を動かす事が出来るというわけ。
さっきの加藤先生みたいに突然意識が戻っても富雄だとバレる訳でもないし。

そう考えた富雄は、今回の薬とセットで作っておいた元に戻る薬を飲むと、夜になるまで待っていた。

 
 
 

 

いきなり生えてきたアレ(その3)

 
 
 

 

母親:「どう?体調は大丈夫なの?」

富雄:「ああ。結構元気になってきた感じがする」

母親:「そう。明日はちゃんと学校に行くのよ」

富雄:「分かってるって」

 

子ども扱いする親と共に夕食を済ませた富雄は、もう少し気分が悪いからと言って部屋に戻った。

 

富雄:「あ〜あ。早く夜中にならないかなぁ」

 

部屋の中、暗くなった外の風景を見ながら皆が寝静まるのを今か今かと待っている富雄。
窓から見える家々の明かり。その明かりを見ていた富雄が、ふと机の上に置いてある時計をみると
さっきから少ししか時間が経っていなかった。
気持ちが焦っていると、なかなか時間が進んでくれないようだ。
 

富雄:「仕方ないな。ゲームでもして時間を潰すか」
 

そう呟いた富雄は、ごそごそとゲーム機を取り出してゲームを始めた。
あまり新しいゲームを買っていないので、やり飽きたシューティングゲームをする。
単調なゲームだが、ずっとやっていると結構ハマるものだ。
すっかりゲームに夢中になってしまった富雄。
あっという間に時間が経ち、気づいた時にはもう午後の11時を過ぎていた。
 

富雄:「お、もうこんな時間になっていたのか。よしっ!それじゃあ早速飲むとするか」
 

富雄は嬉しそうにパジャマと下着を脱いで裸になると、またあの薬を作って飲んだ。
今朝と同じように皮膚の色が薄くなり始め、透明人間のようになってしまう。
 

富雄:「完璧だよな。あとは……」
 

真っ暗な家の中。
既に寝てしまっている両親に気づかれないよう玄関から出た富雄は、暗い夜の道をキョロキョロとしながら駅へと向かった。
目的は、隣町に済んでいる一つ上の学年「竹川 伴子先輩(たけかわ ともこ)」の家に行くためだ。
住所はしっかりと調べてある。
富雄は彼女の身体に入り込むため、わざわざ夜になるのを待っていたのだった。
 

富雄:「まずは電車に乗って……」
 

改札口で自動改札機のセンサーに引っかからないよう改札機に登って、その上を歩こうとした富雄。
だが、ふと名案が浮かんで自動改札機の上にあげた足を下ろした。
 

富雄:「そうだよ。よく考えてみれば、わざわざそんなことしなくても」
 

あたりをキョロキョロを見回した富雄は、発券機の前で切符を買っている若い女性を見つけた。
 

富雄:「そうそう。こうやって通ればいいんだよ」
 

白いワンピース姿の女性の後ろまで歩いて行った富雄は、そのままその女性と重なるようにして彼女の中に入っていった。
透明な富雄の身体が、彼女の服を通り抜けてほっそりとした身体の中に消える。

お金を入れたあと、財布にお釣りと切符を入れた女性は、左手のセカンドバッグの中に財布を入れると
改札口に向かって歩き始めた。
 

「ん?」
 

股間に違和感を感じた女性。
パンティの中に、何かが挟まっているような……そんな感じがしたのだ。
それでも、とりあえず改札口を通った女性は、富雄が乗ろうとしていた電車とは反対側に行く電車に乗ろうとした。
 

(おっと、そっちの電車じゃないや。どうもありがとな――)
 

女性の身体から抜け出た富雄。
すると、女性は立ち止まって股間のあたりをじっと眺めていた。
そして、不思議そうな表情をしながらまた歩き出し、電車に乗ったのだった。
 

富雄:「へへ。あのお姉さん、ガードル穿いてたみたいだから結構押さえつけられてたなあ。
    あの感覚がお姉さんにも伝わってるんだから気持ち悪かったかもしれないな」
 

そんなことを呟きながら、人気の少ないホームを歩いて目的の電車に乗り込む。
終電よりも数本早い電車の中は、思ったよりも空いていた。
まばらな乗客たちは疲れ切っていたり、お酒によって赤くなった表情をしている。
車内も結構お酒臭い。
 

富雄:「夜の電車ってこんな感じなのか」
 

あまり遅い時間に乗った事のない富雄は、周りの様子を伺いながら電車が発車するのを待っていた。
すると、少し向こうの座席に疲れて眠っている若い女性を発見する。
周りに人は乗っておらず、彼女一人だけだ。
 

富雄:「お、これはもしかして……」
 

嬉しそうにその女性に近づいた富雄。
椅子に座っている女性は、20代前半くらい。
白い薄手の長袖セーターにジーパンを穿いている。
 

富雄:「会社帰りなのかな?思い切り寝てくれてるし、これはもう入ってくれという事だろうな」
 

自分勝手な解釈をした富雄が、彼女の上に座るようにしながらスッと身体に入り込む。
 

「…………」
 

ゆっくりと目をあけた富雄。
目の前にはジーパンに包まれた二本の足がある。
そして、その手前には長袖セーターに包まれた二つの胸が。

何も言わず周りを見渡した富雄は、その女性の身体でゆっくりと立ち上がると閉じている方の開閉扉の前に立った。
そして、窓に映る自分の顔を見つめる。
 

女性:「俺、今全然知らない女性の身体を動かしているんだよな」
 

鏡に映る女性に向かってそう呟く。
そっと右手でセーター越しに胸を揉んで見ると、柔らかい弾力を手のひらに感じる事が出来た。
見知らぬ女性が電車の中で胸を揉んでいる。
そして、更に下に視線を移すと、そこには身体にフィットしたジーパンの股間を思い切り膨らませている
富雄のムスコがあるのだ。
窮屈そうにジーパンの生地に押さえつけられている富雄のムスコ。
ジーパンの中でムスコがひっかかる感じがしてしっくりこない。
そんなムスコをジーパン越しに触ってみると、ピンと張り詰めている生地から生暖かい感触が伝わってきた。
それを右手の長い爪で上下に擦る。
 

女性:「あ……きもちいい」
 

窓ガラスに映る女性の口が小さく動く。
ジーパン越しに、ムスコの胴体3本の爪で上下に刺激すると、それだけでも気持ちよかった。
周りの目を気にしながら刺激していると、反対側の開閉扉が閉まり、電車が動き始める。
ほんの3分ほどで次の駅に着いてしまうので、とりあえずこの女性ではここまで。
あっという間に駅に着いたので女性の身体を椅子に座らせ、その身体から抜け出る。
 

人気の少ないホーム。
 

また見知らぬ30代くらいの女性の身体に入り込んだ富雄は、自動改札口を出るとその女性から抜け出て
目的地である竹川 伴子の家に向かって歩き始めた。
 
 
 
 
 

いきなり生えてきたアレ(その3)…おわり
 
 
 
 

あとがき
めちゃくちゃ短くて申し訳ありません(^^
次回との区切りが良かったので、今回はこのくらいにしておきました。
あとは先輩の家に行って楽しむだけですね(笑
それでは最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。
Tiraでした。
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