志郎の新年会(前編)
 
 

博和:「もうそのくらいで止めとけよ。」

志郎:「あ〜っ。な〜んだよぉ博和ぅ。俺を止めよぉってんのかぁ?」

博和:「もう何杯飲んでると思ってんだよ。15杯目だぜ、15杯目。」

志郎:「何杯飲んだって俺の勝手じゃねぇかよぉ〜。」

博和:「こりゃだめだ。完全に出来上がってる。」

今日は大学の友人達と共に、居酒屋でささやかな新年会をしている。
4人集まったメンバーは、志郎を除いてみんな就職が決まっていた。
そう。もう1月に入っているというのに、志郎の就職先は全く決まっていなかったのだ。
みんなが就職先の話で盛り上がっている中、志郎は一人すねてしまい、
ビールのやけ飲みをしていだ。

志郎:「もっと酒持ってこいよ。こんなんじゃたりねぇんだよぉ。」

友人:「それくらいにしとけよ。おまえアルコール中毒でぶったおれるぞ。」

冬美:「そうよ。なんか志郎、いつもより飲みすぎてるよ。」

志郎:「そんなことはかんけぇないだろぉ。酒がほしいんだよ。早くもって来てくれよぉ。」

博和:「こいつ、今日の事、絶対覚えてないよ。」

冬美:「そうよね。明日になったら、「えっ!俺そんな事したっけ?」とか言ってるんだから。」

友人:「そうだろうな。これだけ酒を飲んでたら記憶も無くなるって。」

志郎:「何ぐだぐだ言ってんだよぉ。俺があばれたらすごいんだからなぁ。」

博和:「はいはい、おまえが暴れたらすごいよなぁ。」

志郎:「そうだぁ!俺は強いんだぁ。」

その言葉に、みんな腹を抱えてゲラゲラと笑う。
志郎はみんなの笑い声を聞きながら、ゆっくりと目を閉じ始めた。

・・・・ああ、気分が悪い・・・

みんなの声がだんだん小さくなり、眠気が襲い始める。
志郎はテーブルに両手を置き、その上に頭を置いたまま寝入ってしまった。

・・・・みんな好き勝手な事いいやがって・・・・

悔しい気持ちが残ったまま深い眠りについた。
・・・が、やっぱりいつものように幽体離脱してしまう。

冬美:「あっ、志郎寝ちゃったよ。」

友人:「とうとう酒につぶされたな。明日は地獄のような頭痛に悩まされるぞ。」

博和:「仕方のない奴だな。でもさ、志郎が就職先決まってないのに、その話題で盛り上がっちゃったからなあ。
          こいつ、普段はあっけらかんとしているけど、結構気にしてるんだぜ。」

友人:「そっか、ちょっと悪い事しちゃったな。」

冬美:「女性のわたしでさえ就職先が決まってるもんね。志郎にとってはつらかったのかなぁ。」

博和:「そうかもしれないよ。こいつもいろいろ探してるんだけどな。」

冬美:「ふーん。大学ではあんまり就職活動してないのにね。」

博和:「ああ、自分でいろいろ探してるんだよ。俺もたまに付き合ってやるけどな。」

冬美:「へえ〜、博和ってやさしいんだね。」

博和:「あたりまえさ。なんたって志郎は親友だからな。」

・・・・博和の奴、えらそうにいいやがって。何が就職活動に付き合ってやるだ。おまえが俺についてくるんだろ。

幽体離脱した志郎は、部屋の中で宙に浮いてみんなの話を聞いている。

・・・・そんなに恩着せがましく言うんなら、もうついてこなくてもいいぜ。

体から抜け出た志郎は、なぜか気分もすっきりとしている。
やはり本体から離れると、物理的な痛みなどはついてこないのだろうか。
すっかり酔いも覚めている志郎は、冷静に話を聞いていた。

冬美:「でも、志郎ってどんな職業につきたいのかな。」

博和:「ああ、本人は頭も体も使わない仕事がいいって言ってたけど。」

冬美:「そんな仕事、今時あるわけないよ。志郎って結構考え方甘いよね。」

・・・・かぁ〜、言ってくれるなあ。おまえだって親のすねかじったんだろうが。

博和:「まあ、特別な知識や技能があれば何とかなるかもしれないけどね(こいつ、
          持ってるんだけど普通じゃないからなあ・・・)。」

友人:「う〜ん、志郎は特にないもんなあ。ありゃ結構苦労すると思うよ。」

・・・こいつ・・・・

博和:「いいんじゃない。何とかなるよ、志郎なら。」

冬美:「なんともならないと思うよ。こんな調子じゃ。」

博和:「どうしたんだよ冬美。なんか今日はやけに突っかかるな。」

冬美:「わたし、酔っ払いが大嫌いなの。自分の限度も知らないで酒につぶれるなんて最低だと思う。
          わたし、別に志郎の事、嫌いじゃないけど、こんな姿見てたらやっぱり嫌いだな。」

・・・・おまえに好かれたかぁないよ。言いたい放題いいやがって。くそっ、ちょっと思い知らせてやるか。

志郎と冬美は博和経由で知り合った友人・・・まではいかないが、まあ友達だ。
まだ知り合って半年。でも、そのときには既に就職先が決まっていた。
大企業に勤める父親のすねをかじり、協力会社の事務員としてあっさり内定している。
この不況の時代。女性が就職するためには並大抵な努力では難しいのに、ろくに努力もしないで
親の力を借り、就職するという根性が志郎には許せなかった。
しかも、今日、ここまで言われたんじゃあさすがの志郎でも納得がいかない。

・・・冬美に乗り移ってやる!

そう思った志郎は、みんなに気付かれないよう、速攻で乗り移る事にした。
みんなの様子をみながら冬美の背後に移動する。

・・・さあ、博和も気付かないくらいの早業を見せてやるぜ。

志郎はやや緊張気味に体勢を整える。
そして・・・

冬美の背中めがけ、志郎最高のスピードで幽体をねじ込んだ。

冬美:「かはっ!」

冬美はうめき声をあげながら目を見開き、一瞬体を硬直させた。

みんな一斉に冬美の方を振り向く。

冬美:「しまった・・・」

みんなの視線が冬美に乗り移った志郎に注がれる。

冬美:「あ・・・え・・・えっと・・・喉に唐揚げが詰まっちゃった。」

非常に苦しい言い訳をする。

友人:「なんだよ。驚かせるなっ。」

博和:「おまえ唐揚げなんか食ってたか?」

冬美:「(ドキッ!)た、食べてたよ。食べながら話してたから、つい・・・」

博和:「女の癖に行儀が悪いな。」

冬美:「ごめん。」

・・・良かった。バレなくて・・・くそっ、しかし何で俺が謝らなきゃならないんだよ。やっぱり冬美が悪いんだ。
よし、作戦を立てるぞ。

冬美:「あ、わたしちょっとトイレに行って来る。」

友人:「ああ。」

志郎は椅子から立ち上がり、化粧室に向かった。
ハイヒールを履いているので、慣れない志郎には歩きにくくて仕方がない。

冬美:「なんだよ。こんな靴履きやがって。」

ぶつぶつ言いながら女性専用の化粧室に入った。

冬美:「さて、どうやって御仕置きしてやろうか。」

志郎は化粧室の鏡の前でいろいろと考えた。

冬美:「こいつ、酒飲みは嫌いって言ってたな。それじゃあおまえを酒飲みにしてやるよ。ヒヒヒッ。」

鏡の中の冬美が不敵な笑いをしている。

冬美:「この笑い方がこいつにの性格には似合ってたりしてな。しかし、高そうな服を着てるよな。
          さすが大企業に勤める父親の娘だ。」

志郎は冬美の服装を見ながらそう言った。
ジャケットとトレーナーにジーパン姿の志郎に対し、冬美は白いブランド物のスーツを着ている。
膝上までの、先が細く絞られているタイトスカートの下からは、黒いストッキングに包まれた細い足がある。
靴はさっきも言ったように、高さが5センチほどある白いハイヒールだ。
ほっそりした顔立ちに、軽くパーマをかけたセミロングの茶色い髪。
まあ、美人と言えば美人に入るか。
でもこの性格じゃあな・・・

とりあえずお仕置き第1弾として、この体に大量のアルコールを飲んでもらう事にした。

冬美:「そうと決まれば早速実行だ。」

冬美の体でガッツポーズをしながら化粧室を出る。

冬美:「お待たせ。」

博和:「ああ。」

冬美:「もう二人は飲まないの?」

友人:「いや、もうちょっと飲もうかな。」

冬美:「うん、わたしも飲むよ。博和は?」

博和:「ああ、俺ももらうよ。俺、生中おかわり。」

友人:「俺もそうする。」

冬美:「わかったわ。すいませーん。」

志郎は二人から注文を聞くと、店員を呼びつけた。

店員:「はい、ご注文をどうぞ。」

冬美:「生中2つと冷酒10本ください。」

博和:「れ、冷酒10本っ!!」

友人:「そ、そんなに飲めないよ、俺たち。」

冬美:「あなたは飲まなくていいの。わたしが飲むんだから。」

博和:「大丈夫なのか?そんなに頼んで。」

冬美:「全部飲んじゃうから。店員さん、飲み放題に冷酒も入ってるよね。」

店員:「あ、はい。入っております。」

冬美:「じゃあ、冷酒10本おねがい。」

店員:「はい、分かりました。生中2つと冷酒10本ですね。グラスは3つでよろしいですか?」

冬美:「あ、1つでいいよ。わたししか飲まないから。」

店員:「は・・はい。」

店員はあっけに取られながらも、注文をリモコンに打ち込み、飲み物を取りに行った。

博和:「ほんとに頼んじまったよ。俺でも飲めないぞ、冷酒10本なんて。」

友人:「そうだよ。ぶっ倒れるのがおちだ。」

博和:「それにさっき言ってたじゃないか。自分の限度も知らないで酒につぶれるなんて最低だって。」

冬美:「ええ、言ったわ。酒につぶれたらって。わたしつぶれないもん。」

博和:「うそだろ、そんなの。つぶれなかったらおかしいぜ。」

冬美:「飲んでみないと分からないよ。」

博和:「分からないって・・・飲んだ事ないのか?」

冬美:「ないよ。」

友人:「やめとけよ。フラフラになって帰れなくなるだけだから。」

冬美:「うるさいな。わたしが責任を取って飲むんだからほっといてよ。」

志郎はキッと友人をにらみつけた。

友人:「わ、わかったよ。でも知らないからな。」

店員:「お待たせしました。生中2つと冷酒10本、グラス1つです。」

冬美:「ありがとう。」

志郎は生中を二人に渡し、冷酒1本をグラスになみなみと注いだ。

冬美:「じゃあ、カンパーイ。」

友人と博和:「カンパーイ。」

何の乾杯か分からず、ビールを一口だけ飲んだ二人。
しかし、冬美はグラスの冷酒を一気に飲み干してしまった。

冬美:「はぁ〜。冷たくておいしぃ〜。」

博和:「い・・・一気に飲んだのか。」

友人:「信じられない・・・」

冬美:「ほら、もう1本空いちゃったよ。これを9回繰り返したらあっという間に10本になるじゃない。」

友人:「そこまでして飲むもんじゃないだろ。」

博和:「そうだよ。酒はちびちびと味わって飲まなきゃ。」

冬美:「いいのいいの。飲み放題なんだから。あと30分はあるよね。」

博和:「時間はあるけど、やっぱりもう止めといた方がいいんじゃないか?」

冬美:「大丈夫だって。お父さんもいつもお酒たくさん飲んでるんだから。」

友人:「親父が飲めるからっておまえが飲めると決まってるわけじゃないだろ。」

冬美:「遺伝よ、遺伝。」

博和:「そりゃ、多少は遺伝も影響するかもしれないけど・・・でもなあ。」

志郎は二人の忠告を無視し、またグラスに冷酒1本を注ぎ込んだ。

冬美:「ふふっ、飲むわよ。」

そう言って、またしても一気にグラスを空ける。

冬美:「はぁ、冷たいのに喉が熱くなるわ。」

博和:「もうそのくらいにしとけよ。そんなに飲んだら志郎みたいになっちゃうぞ。」

博和が冬美からグラスを取り上げる。

冬美:「あっ、もう。返してよ、私のグラス。」

博和:「ダメ。もう飲ませない。」

冬美:「頼むよ。まだ足りないんだよ。」

博和:「頼むよって。もう酔っ払ってるじゃないか。」

冬美:「違うんだよ。まだ酔っ払ってないもん。」

博和:「・・・・」

博和はテーブルに伏せている志郎を見た。そのあと、冬美の顔を見る。
冬美は、ふいに目線をそらした。

博和:「・・・・やりすぎだよ・・・・」

・・・・うっ、ばれたかっ!
博和は志郎が冬美に乗り移っている事を悟ったようだ。

博和:「そこまでやる事はないんじゃないか?」

冬美:「ああ〜ん、飲みた〜い、飲みた〜い!」

博和:「分かってるんだぜ。もう止めとけよ。」

冬美:「いや、まだやるもん。」

博和:「だめだって。冬美がどうなってもいいのか?」

冬美:「いいの。そんな事。」

友人:「何言ってんの。二人とも?」

博和:「何でもないよ。これ以上酒を飲むなって言ってるんだよ。」

冬美:「ちぇっ、仕方ないな。でもせっかく頼んだんだから、二人で飲んでよ。
          あ、そうだ。博和、私飲まないから、そのグラス貸して!」

博和:「・・・いいけど。」

冬美:「ねえ、このグラスで飲んでよ。私の口紅ついてるけど、いい?」

志郎は友人に、冬美の口紅のついたグラスを渡した。

友人:「あ、ああ。いいの?」

冬美:「うん。注いであげるよ。」

志郎は冷酒のキャップを開けて、友人が持つグラスにトクトクと注いだ。

博和:「あ、きたねぇ。」

冬美:「べーだっ。博和なんてあっち行っちゃえ〜!」

志郎は、博和に向かってあっかんベーをしながらそう言った。

博和:「ちっくしょう・・・・(志郎の奴・・・か、かわいいじゃねえか・・・)」

志郎の仕草に思わず見とれてしまう。そう、冬美は博和の嫌いなタイプではないのだ。

友人:「冬美のグラスで飲むなんて、なんか恥ずかしいなあ。」

冬美:「いいの。私の口紅がついているところから飲んだら?関節キスになるね。」

友人:「そ、そうだな。冬美と関節キスしよっか。」

冬美:「うん、しよっ!」

友人は少し顔を赤くしながら、口紅がついているところに口を当て、冷酒を飲んだ。
友人も冬美のことがタイプらしい。

友人:「へへっ、冬美と関節キスしちゃった。」

冬美:「うん、じゃあ今度は私に注いでくれる?」

友人:「ああ、いいよ。」

友人はグラスを冬美に渡し、冷酒を注いだ。

博和:「おい、もう飲まないって言ったじゃないか。」

友人:「いいじゃないか、少しくらい冬美に飲ませてやれよ。」

博和:「おまえ、さっき言ってたことと正反対じゃないか。」

冬美:「いいよねぇ。博和の事なんかほっときましょうよ。」

友人:「そう言うことだ。さっ、飲みなよ。」

冬美:「うん。」

志郎は、友人が飲んだ部分に口をつけ、また一気に飲み干した。

博和:「・・・・しらねえからな、どうなっても。」

冬美:「わあ、博和ったらこわ〜い!」

博和:「・・・バカにしやがって・・・」

この調子で、残りの時間、友人と冬美はひたすら冷酒を飲みつづけた。
結局頼んだ10本を二人で空けることになる。

冬美:「はぁ、なんだか頭がくらくらする・・・」

友人:「俺もだぁ・・・あち〜よ・・・天井が回ってる〜!」

友人はもうメロメロになっている。

博和:「バカみたいに飲むから悪いんだよ。さあ、もう時間だから店を出るぞ。」

冬美:「志郎を担がなきゃ。博和ぅ、一緒に担いで行こうよ。」

博和:「自分の体なんだから自分で背負っていけよ。」

冬美:「ええ〜、この体で志郎を背負えって言うの。そんなの無理だよぉ。」

志郎は冬美の体を盾に、博和に背負わそうとした。

博和:「素直に自分の戻ればいいじゃないか。」

冬美:「ダメダメ。今戻ったら冬美の精神が持たないから。俺の精神的な強さがこの体をかろうじて動かしてるんだよ。
          冬美の精神だったら、たぶん気分が悪いどころじゃないって。」

博和:「・・・だからあれほど飲むなって言ったのに。」

冬美:「この女が俺をバカにするから悪いんだ。親のすねかじってるくせに。」

博和:「俺たちがおまえの前で就職の話をしたのは悪かったよ。だからってそこまでする事はなかったんじゃないか?」

冬美:「だからちゃんと最後まで面倒見るって。とりあえず肩貸してくれよ。俺の体を持って帰らないと。」

博和:「仕方のない奴だな・・・」

冬美に乗り移っている志郎と博和は、ぐったりしている志郎の腕を肩にかけて、引きずるようにして歩き始めた。

冬美:「おもいよなぁ。俺の体は。」

博和:「ほんとに重いぞ。何とかしろよ。」

冬美:「だから今はなんともならないって。」

友人:「なあ、おまえらさっきから何はなしてるんだよ。なんか変だぞ。特に冬美、男のしゃべり方してねえか?」

冬美:「えっ!そんな事ないよ。わたし、ずっとこんなしゃべり方だよ。お酒のみ過ぎたんじゃない?」

友人:「・・・ああ・・・・そうかもしれない。すごく気分が悪いし。」

博和:「ちょっと金払ってくるよ。割り勘だからな。明日ちゃんと払ってくれよ。」

レジの前にある椅子に志郎の体を預け、勘定を済ませる。

博和:「おまたせ。さあ、これからどうする?」

友人:「俺、今日はもう帰るわ。めちゃくちゃ気分が悪いし。」

冬美:「そうね。今日はもう帰りましょうか。」

博和:「そうだな。志郎もこんなになっちゃったし。今日はこれで解散にしよう。」

友人:「それじゃ、悪いけどこれで失礼するよ。今日は楽しかった。また明日な。」

冬美:「またね。」

博和:「ああ、気をつけて帰れよ。」

博和と志郎は帰っていく友人を手を振りながら見送った。

博和:「さて、俺たちも帰ろうか。」

冬美:「ちょっと待ってくれ。この体を抜けるのはまだちょっと早いよ。アルコール入りすぎ。」

博和:「もう、これ以上面倒かけるなよ。」

冬美:「もうちょっと休んでいかないか。」

博和:「この寒いのに、どこで休むんだよ。」

冬美:「やっぱりラブホテル・・・て言いたいとこだけど、3人じゃなあ。」

博和:「ちょっといやだよな。」

冬美:「ああ、なんか気になるな。」

博和:「じゃあどうする?」

冬美:「カラオケボックスにでも行くか。歌でも歌ってりゃあアルコールも抜けるってもんだ。」

博和:「う〜ん、そうだな。とりあえずそうするか。たしか、そこの角のビルにあるから。」

冬美:「ああ。」

こうして二人は志郎を担いでカラオケボックスに入って行ったのだ・・・
 
 
 

志郎の新年会(前編)・・・おわり
 

あとがき
この話は、就職活動から少し離れて、仲間で酒を飲みに行ったときの出来事を書いてみました。
この調子だと、志郎は浪人しそうな感じがしてなりません。
筆者としても、何とか就職してもらいたいものですが、どうも志郎にあう就職先が
思いつきません。困ったものです。
まあ、何とか3月までには就職してもらい、新たな展開につなげたいと思います。
後編は、3人で(と言っても志郎は抜け殻ですが)カラオケボックスに言ったときの話です。
一体どうなるやら・・・

それでは最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。

Tiraより
 
 
 
 
 
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