徐々に高度が下がり始めると、飛行機内にある大きな液晶画面に滑走路が映り始める。
滑走路の両横には飛行機を導くようにライトが点滅している。
そして、ゴーッという音と共に、飛行機が滑走路へと進入した。
ジェットエンジンが逆回転する事により、急激にスピードが落ちる。
中には驚いている生徒達もいたが、忠雄は窓から見える景色をずっと眺めていた。
その顔はどこと無くにニヤけている。
だって、これから楽しい修学旅行が始まるのだから!
 
 
 
 
 
 

必殺の薬「PPZ−4086(修学旅行にて)」・・・第3話
 
 
 
 
 
 
 

飛行機が停止すると、学生達がシートベルトを外して座席の上にある棚から荷物を取り出し始める。
早く飛行機から出たいのか、みんな我先にと荷物を取り出すと、急いで出口に向かって歩き出した。
そんな中、忠雄はゆっくりとカバンを取ると空になった小瓶を入れ、今度は
新しい小瓶をスボンのポケットへしまいこんだ。
 

康司:「なにやってんだ?俺たちも早く行こうぜ」

忠雄:「あ、うん…」
 

忠雄は友人である康司の後について出口へと向かった。
出口ではスチュワーデスのお姉さんたちが数人いて、「お疲れ様でした」と頭を下げているところだった。
もちろん、その中には先ほど乗り移っていた「西条 緑」さんもいる。
 

緑:「お疲れ様でした」
 

目の前をにぎやかに通り過ぎる学生達に挨拶をしている。
そして忠雄が目の前を通り過ぎた。
 

忠雄:「楽しかったよ、緑さん」
 

ニッと笑いかけた忠雄。
 

緑:「えっ?……それは良かったですね」
 

どういう意味か分からなかったのだろう。
緑さんは曖昧な返事をした後、他の学生達に目を向けた。
 

康司:「お前、ずっと寝てたくせに」

忠雄:「それでも楽しかったんだ」

康司:「はぁ?変なやつだな…」
 
 
 

空港のロビー。
生徒全員が飛行機から降りた事を確認すると、空港入口に停車している大型バスに乗り込む。
それぞれのバスのドアの前にはバスガイドさんが立っていて、学生達が現れるのを待っていたようだ。
 

バスガイド:「こんにちは」
 

ぞろぞろと現れた学生達に挨拶をする。
 

康司:「俺たちの乗るバスって、確か二番目のバスだよな」

忠雄:「うん、そうだったと思う」

康司:「じゃあ、あのバスだ」
 

康司が指差した青いバス。
同じクラスの生徒達が、運転手に大きなカバン渡してバスの横に積んでもらうと座席に着き始めている。
忠雄たちも同じように運転手にカバンを渡すと、バスのドアへと向かった。
途中、バスガイドさんの顔をチラリと見る。
ショートヘアの、結構かわいいお姉さんだ。
それだけを確認すると、バスの中へと入っていった。
 

まだ新車なのだろうか。独特の匂いがする。
窓ガラスはうっすらと青みを帯びていて、ちょっと高級感を漂わせているようだった。
綺麗な椅子に、康司と二人で並んで座った忠雄。
 

忠雄:「窓側のほうがいい?」

康司:「どっちでも構わないさ」

忠雄:「僕、寝るから窓際と代わってあげようか」

康司:「ね、寝るって…お前まだ眠れるのか?」
 

顔をしかめながら話す康司。
 

忠雄:「いくらでも眠れるよ」

康司:「はっ…そうか。それなら代わってくれよ。折角の北海道の景色なんだ。
         見とかないと損するぜ」

忠雄:「そうかな。別にいいんだけど」

康司:「お前、北海道に何しにきたんだよ」

忠雄:「別に」

康司:「…呆れたやつ」
 

二人は席を代わると、バスが発進するのを待った。
丁度康司が座っている席の下が荷物を入れるところ。
康司が窓から下を覗くと、運転手が荷物入れのドアを閉めたところだった。
 

康司:「おい、もうすぐ発車するぞ」

忠雄:「うん」
 

ほんのしばらくすると、運転手とバスガイドのお姉さんが入ってくる。
先生が点呼をとり全員いることを確認すると、前のバスに続いてゆっくりと静かに動き始めた。

ワイワイと騒いでいる生徒達。
そんな中、バスの前で座席の背もたれに片手を置き、もう片方の手に
マイクを持ったバスガイドのお姉さんが話を始めた。
 

バスガイド:「え〜、このたびは○○交通をご利用いただき、ありがとうございます。
                 私は「野原 晃恵(のはら あきえ)」と言います。ご旅行中のお相手を
                 させていただきますので、どうぞよろしくお願いします」

パチパチパチ…

先生を含め、生徒達が拍手をする。特に男子生徒が大きく拍手をしているようだ。
忠雄も同じように拍手をした。
マイクに話しかけ、スピーカーを通じて聞こえてくる彼女の声。
その声は何とも柔らかな感じがした。

黄色い帽子を頭に乗せ、白いブラウスに黄色いスーツを着込んでいる晃恵というバスガイド。
同じく黄色いタイトスカート。膝小僧が見えるくらいの裾の長さ。
白いパンストに包まれた足は、黒いハイヒールを履いているせいか、やたらと
細く見えた。
マイクを握っているあの白い手袋がとても印象的だ。

あの白い手袋をした手で、彼女の胸を揉んでみたいな…

そう思った忠雄。
窓の外には低い建物が並んで建っており、今は北海道という雰囲気がしない。
そんな風景を横目で見ながら、康司がその景色をじっと眺めているのを確認する。

忠雄はポケットに手を入れると、「PPZ−4086」を取り出し、一気に飲み干した。

気づかれないように急いでビンをポケットにしまいこむ。
激しい眠気の襲われた忠雄が、背もたれにもたれかかりながら深い眠りへつく。
 
 

しばらくすると、忠雄の身体から幽体がスッと抜け出し始める。
と言っても、完全に身体から出ているわけではなく、上半身だけ身体から抜け出ている状態。
そのままクルッと周りを見渡した忠雄。
前を見ている生徒も数人いるが、誰も忠雄の幽体には気づいていない。
 

忠雄:「へへ…当たり前か」
 

ヌッと完全に抜け出した忠雄の幽体。
そのままユラリと前の方へ移動する。
 

パスガイドの晃恵は、運転手と反対側にある先頭の座席に大人しく座っている。
たぶん、要所要所でそれなりの説明をするのだろう。

まあ、説明する時は抜け出すとして…

忠雄は座席に座っている晃恵の前に回りこんだ。
ずっと大きなフロントガラスから見える道路の先を見つめる晃恵。
足を閉じて、太ももの上・・・黄色いタイトスカートの上に白い手袋をした両手を
そっと乗せている感じだ。
そんな彼女の表情を見ながらドキドキしている忠雄。
薄いピンクの口紅。
忠雄は、その口紅を塗った口元にキスをするかのように、顔を近づけた。
唇同士が触れ合ったと思うと忠雄の唇が彼女の唇に埋れ、さらに鼻や頬、
おでこがスッと晃恵の顔に入り込んでゆく。
 

晃恵:「っ…」
 

顔が硬直して声が出ない。
驚いて目を見開いたままの晃恵。
既に頭まで晃恵の中に入り込んだ忠雄にとっては、そんな彼女の表情はまったく分からない。
そのまま彼女の身体に、幽体を侵入させる忠雄。
 

晃恵:「ぅ……ぅぅ…」
 

苦しそうな声は、エンジンと生徒達の声でかき消される。
幽体の足を彼女の中に入れた忠雄。
その後、お尻が入り込むと、忠雄の幽体は全て晃恵の中に入り込んでしまったのだ。
 

晃恵:「……ぅ……ん…ぁぁ」
 

見開いていた目が、元の状態に戻る。
苦しそうに硬直していた表情は柔らかさを取り戻し、口元にはかすかな笑みが浮かんでいた。
 

晃恵:「はぁ〜…この制服の匂い…」
 

黄色いスーツから漂う独特の匂い。
その匂いに混じって、かすかな香水の香りがする。
 

晃恵:「そんなにきつい香水は付けてないんだ…それより、この声がいいなぁ」
 

そう言いながら口元に手を持ってくる。
すると、視界に白い手袋が見えた。
 

晃恵:「あ、これこれ、この白い手袋をした手がすごくいいよ」
 

鼻を通ってくるような柔らかい声で呟きながら、目の前にある白い手袋をした両手を
開いたり握ったりしている晃恵……に乗り移った忠雄。
ほっそりとした長い晃恵の指が、忠雄の思うように動いている。
晃恵(忠雄)はその両手で鼻と口を塞ぐと、わざと咳をしてみた。

喉から出てくるのは男の咳ではなく、妙に高い女の咳。
両手をあわせて鼻と口を塞いでいるので、その咳はこもって聞こえる。
両手の中にこもった彼女の息は、ミントの香りがした。
どうやら口臭予防のアメかガムでも食べていたらしい。
 

晃恵(忠雄):「はぁ・・・やっぱりこの声、いいなぁ・・」
 

同じ事を、何度も彼女の声を使って呟く。
両手を口から離した晃恵(忠雄)は、俯いて胸元をじっと眺めてみた。

黄色いスーツを盛り上げる二つの胸。
スーツの襟元には白いブラウスが見えている。
晃恵(忠雄)は、キョロキョロと周りの目線を気にしながらも、
そっと白い手袋をはめた彼女の両手を黄色いスーツの胸元へと運んだ。
そして、そのままゆっくりと胸を掴んでみる。
 

晃恵(忠雄):「うん・・・・柔らかい。スーツ越しにでも柔らかさが分かるよ」
 

黄色いスーツとその中にあるブラウスにシワを作りながら、晃恵(忠雄)は何度か胸を揉んでみた。
白い手袋をしているせいで、妙にいやらしい感じがする。

大型バスの横を何台もの車がすれ違ってゆく。バスの座席の方がよっぽど高い位置にある。
それに高速道路を走っているわけではないので、それほどスピードは出ていない。
さて、何人のドライバーが晃恵(忠雄)の行為に気づいたのだろうか?
バスの大きなフロントガラス越しに見える彼女の痴態。
おおよその男性ドライバーなら、その行為に目線が釘付けになっていたかもしれない。
 

しばらく胸を揉んでいると、高速道路の入口が見えてくる。
忠雄は一旦晃恵の身体から出る事にした。
そろそろ何か言うべき場所かもしれないと思ったから。
 

晃恵(忠雄):「まだまだ時間はあるんだ。ちょっと晃恵さんから離れるかな」
 

そう呟いた晃恵(忠雄)は、スッと晃恵の身体から抜け出した。
ビクンと身体を震わせた晃恵が意識を取り戻す。
 

晃恵:「あ・・・・あれ?わ、私・・・・」
 

いつの間にか両手を胸に宛がっている。
そして、景色はガラリと変わり、目の前には高速道路の入口が・・・
 

晃恵:「い・・いつの間に・・・・私、もしかして寝てたの??」
 

訳が分からないといった表情の晃恵。
高速道路の入口でバスが止まると、運転手が自動発券機から券を取る。
それを受け取った晃恵が、運転席の横にある小さな入れ物に入れた。
その中には、彼女の持ち物であろうピンクの小さなポーチも入っているようだ。
幽体のまま、そのポーチをじっと見つめていた忠雄。
 

忠雄:「あの中に何が入っているんだろう・・・化粧品かな・・・」
 

そんなことを思っているうちに、バスはゆっくりと走り出し、徐々に加速をつけてゆく。
バスの中をキョロキョロと見回す忠雄。
その目線が、一人の女子生徒に固定される。前から3列ほど後ろにある窓側の席。

日浦 恵美(ひうら めぐみ)。

彼女の名前だ。
彼女はあまりクラスメイトと接触する事は無く、いつも一人でいるようだ。
髪は長め。別に美人でもかわいくもない普通の女の子。
スタイルだって・・・・多分「普通」だ。
そんな彼女だから、今も隣にいる女子生徒とは一言もしゃべらず、
じっと窓枠に肘をつき、その窓から見える景色を眺めている。
恵美の隣に座っている女子生徒といえば、補助座席を挟んだもう片方の座席に座っている
女子生徒と楽しそうに話をしている。
 

忠雄:「よし。目的地までは日浦と晃恵さんを往復する事にしよう」
 

そう決めた忠雄は、バスの中をゆらゆらと移動し、恵美の前まで止まった。
もちろん彼女はずっと窓の向こうに流れる景色を眺めたままだ。
 

忠雄:「晃恵さんが忙しい間は、居候させてもらうよ」
 

そっと彼女の耳元で呟いた忠雄。
でもその声は彼女には届かない。
 

恵美:「あ…ぅぅ……」
 

耳にキスするように、忠雄は彼女の顔に自分の顔を宛がった。
晃恵の時と同じように、忠雄の顔が恵美の顔にどんどん入り込んでゆく。
 

恵美:「ん……ぅぅ……」
 

いつものように、忠雄は身体の中へ幽体を忍ばせてゆく。
景色を眺めていた恵美の眉がゆがみ、口が半開きになっている。
彼女を抱きかかえるようにしながら幽体を入れる忠雄。
どこを見ているとも分からない彼女の目。
焦点が定まらない彼女は身体を膠着させたまま、ただ顔だけを窓に向けている。

そんな彼女の中に、忠雄の幽体は見えなくなってしまった……
 

恵美:「……」
 

バスが軽く上下に振動する。
その拍子に、窓枠についていた恵美の肘が外れた。
すると、彼女の体勢が崩れ……る事は無かった。
それを予知してたかのような雰囲気で、そっと太ももの上に手を置き直す恵美。
何事も無かったように窓の外を見て何故かゴクンとツバを飲み込んだあと
両手を前に伸ばして背伸びをする。
 

恵美:「ん〜っ…」
 

気持ちよさそうに背伸びをした後、座席に座りなおした彼女はポリポリと頭を掻きながら
ふぅと一息吐いた。
 

恵美:「まあ、結構居心地もよさそうだし、こっそり日浦さんのスタイルを確かめていれば
         時間つぶしにもなるだろう」
 

そんな事を呟きながら、恵美に乗り移った忠雄が身体のラインを確かめるように両手で胸の辺りから腰までを
擦り始める。
少し短めの丈の、白いセーラー服の上を恵美の両手が何度も何度も上下に移動している。
胸元の赤いリボンの下、ブラジャーを付けている彼女の胸は、セーラー服越しに触っても
当たり前のように柔らかかった。
ウェストも思ったより細く、見た目とは違う彼女のスタイルのよさに驚いた忠雄。
 

恵美(忠雄):「へぇ〜。そうなんだ。普段見ている日浦さんとは全然違うよ。ふ〜ん…」
 

別にいやらしいことをするわけでもなく、ただ身体を触ってスタイルを確かめている恵美(忠雄)は、
スカート越しに太ももを触り、そして足を動かしながら彼女の体型を確認した。
 

恵美(忠雄):「悪くないよ、この身体も。きっとクラスの女子たちの中でも10番以内には入るよね」
 

まるで女子生徒の全てを知っているかのような発言をした忠雄は、バスガイドの晃恵さんが
白い手袋をした手でマイクを持って話を始める仕草をしたことに気づいた。
始めに恵美がしていたように、窓枠に肘をついた体勢で晃恵さんを見る。
ただし、足を組んだ恵美の太ももは妙な色っぽさをかもし出していた。
 

晃恵:「皆さん。高速道路をあと30分ほど走ったあと、更に20分ほど国道を走ると一つ目の見学地に到着します。
          ガラス工芸で有名な場所で、中には行ったことのある人もいるかもしれませんね。
          店によっては実際に作らせてくれるところもあり…」
 

結構詳しく説明してくれる。
別に興味があるわけでもないが、憑依三昧したって最後には飽きるだけ。
こうやって見学などのイベントがあるときには大人しくするまでだ。
出来ればクラスの女子生徒に乗り移ったまま見学したいところだが…

自分の身体を置き去りに出来ない以上、その願いは叶わない。
まだ50分ほど時間がある。

忠雄は乗り移った恵美の手で、隣の女子高生に気づかれないように胸を揉んでみた。
セーラー服の上から胸の突起らしき場所を人差し指で掻く様にして触ってみる。
白いセーラー服の奥、ブラジャーの下にある胸の突起が人差し指によって
刺激されると、そこからゾクッとするような気持ちよさが伝わってくるのだ。
 

恵美(忠雄):「お…服の上からでも結構感じるんだ」
 

そんな事を恵美の声で呟く忠雄。
両脇を締め付けたくなるような気持ちよさを感じながら、しばらく恵美の身体を弄んだ。
下半身が熱くなるのを感じた頃、一通り説明が終わった晃恵が席に座る。
 

恵美(忠雄):「ふぅ…結構盛り上がってきたところだけど、日浦さんの身体はいつだって楽しめるからな」
 

ちょっと残念そうな表情を浮かべた恵美(忠雄)だったが両手を太ももの上に乗せたあと、
スッと彼女の身体から抜け出した。
 

恵美:「…ん…ん?」
 

恵美が意識を取り戻し、周りをキョロキョロと見ている。
そんな彼女を後にした忠雄は晃恵の元へ移動すると、また幽体を彼女の身体に重ね始めたのだ。
 

晃恵:「ぅっ…」
 

先ほどと同じ光景が繰り返される。
少し引きつった表情の晃恵だったが、すぐにニヤッとした笑みをこぼした。
 

晃恵(忠雄):「たしかあそこに…」
 

晃恵(忠雄)は席を立つと、先ほど気になったピンクの小さなポーチを取り出した。
 

晃恵(忠雄):「んん?何が入っているんだろう?」
 

白い手袋をした晃恵の手でポーチのチャックを開けた忠雄。
中には予想していた通り、口紅やマスカラ、ファンデーションといった化粧品と携帯電話が入っていた。
 

晃恵(忠雄):「お、携帯電話だ。これは使えるよ、うん」
 

携帯電話だけを取り出してポーチを元の小さな入れ物に戻すと、自局の番号を調べ始めた。
携帯電話の液晶画面にうっすらと映る晃恵の顔。
しばし見とれたあと、メニューを辿って番号を確認した。
 

晃恵(忠雄):「覚えやすい番号だな。よし、しっかりと覚えたぞ」
 

マナーモードにした事を確認した晃恵(忠雄)がドキドキしながらタイトスカートの横に付いているホックを外すと、
ファスナーを下げ、そこから携帯電話を持った手を中に入れる。
そしてお腹のあたり、パンストのゴムを伸ばすと、モゾモゾと中へ入れ始めた。
パンストからパンティの下をくぐり、晃恵の感じるところにあたるようセットする。
股間をグリグリと左右に開くように携帯電話を動かすと、一番感じるところに触れて身体がビクンと震えた。
 

晃恵(忠雄):「うっ…んん。もう興奮してる。ちょっと触れただけなのに…」
 

パンティの中へ携帯電話を残し、手だけを戻した晃恵(忠雄)。
元通りファスナーを閉めたあとホックをとめる。
股間に異物が当っている事がよく分かるが、始めはそれが携帯電話だと彼女は気づかないだろう。
タイトスカートに隠れている携帯電話に着信させたい…
 

晃恵(忠雄):「準備は完了したけど…日浦さんは携帯持っているのかな?」
 

忠雄が晃恵さんの身体から抜け出すと、彼女は一瞬ビクンと身体を震わせて意識を取り戻す。
 

晃恵:「えっ?あれ…また私。どうしたのかしら」
 

そんな事を呟いている。股間に密着している携帯電話にはまだ気づいていないようだ。
だが周りをキョロキョロと見回したあと、少し腰を浮かせて座りなおした瞬間、
股間に異物が当っている事に気づいた。
 

晃恵:「あっ、えっ?」
 

俯き、黄色いタイトスカートを見つめる晃恵。
そっとタイトスカートに両手を当てると、その黄色い生地の向こうに硬いものがあることを認識する。
そしてそれが手で少し押されると、晃恵の感じる部分に押し付けられるのだ。
 

晃恵:「うっ…んっ…」
 

肩をすくめてタイトスカートから手を離した晃恵はとても驚いている。
 

晃恵:「な、何よこれ。下着の中に何か入ってる…」
 

唖然として、見えない異物に戸惑う晃恵。
そんな彼女の表情を見た忠雄は、もう一度同級生「日浦恵美」の身体へと幽体を重ねた。
 

恵美:「ぁっ…」
 

喉に詰まるような小さな声を漏らして苦しそうな表情を見せる恵美。
しかしその表情もすぐに元に戻る。
 

恵美(忠雄):「ふぅ…さてと」
 

恵美(忠雄)はブラウスやスカートについているポケットの中に手を入れ、携帯電話を持っているか調べてみた。
だがポケットの中には持っていない。
多分カバンに入れているのだろう。持ち歩いていたら先生にも怒られるだろうし。
そう思った忠雄は、棚の上に置いてあるカバンを取ろうと立ち上がった。
 

恵美(忠雄):「あの、ちょっとカバンが取りたいんだけど」

「え、ああ、取ったげるよ!」
 

隣に座っていた女の子が立ち上がり、恵美の持ってきた小さめの茶色いカバンを取ってくれる。
忠雄にとってはラッキーだった。どれが恵美のカバンか分からなかったから。
 

恵美(忠雄):「ありがと」

「うん。それでね…」
 

女の子はまた別の友達と話を始めた。
 

恵美(忠雄):「さっきもそうだけど、他人のカバンを開けるのってなんだかドキドキするなぁ。それが女性のカバンだと
                  なおさらだよ」
 

そう呟きながらファスナーを開ける。
中にはハンカチやティッシュ、また女の子特有の物がいくつか入っていた。
そして折り畳み式の携帯電話も。
 

恵美(忠雄):「あったあった。これだよ。この携帯をポケットに入れておいてと」
 

スカートのポケットに携帯電話をしまいこんだ恵美(忠雄)は足元にカバンを置くと、もう一度ポケットから携帯電話を取り出した。
先生に見つからないように二つ折りになっていた携帯電話を開くと、大き目の液晶画面に男性アイドルの
写真が貼り付けてある。
 

恵美(忠雄):「へぇ〜、日浦さんって結構ミーハーだったんだ」
 

そう思いながら先ほど覚えた晃恵の電話番号に非通知番号を追加してボタンを押す。
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2002.9.28追加
絵:紅珠さん

すると…
 

晃恵:「きゃっ!」
 

少し離れた斜め前に座っている晃恵が、大きな悲鳴を上げた。
周りにいた生徒達の会話が一瞬止まる。
 

晃恵の丁度後ろに座っていた女の子が立ち上がって、後ろから彼女を覗き込んだ。
 

「どうしたの?」

晃恵:「ぁぁ…ん」
 

晃恵は足をギュッと閉じてタイトスカートの上に乗せた両手に拳を作っている。
俯いたままグッと何かを我慢しているようにも見えた。身体全体が硬直している感じ。
か細い声が晃恵の口から漏れているのだが、動いているバスの中ではかき消されてしまう。
 

「バスガイドさんでも気分が悪くなるの?」
 

そんな事を聞く女の子。それに答えられず、ただ俯いているだけの晃恵。
十秒ほどすると身体の力も抜けた…が、その息遣いは若干荒くなっている。
 

晃恵:「だ、大丈夫。ちょっとね」

「気分悪い?酔い止めの薬持ってるよ」

晃恵:「ううん。気分が悪いんじゃないの」

「ふ〜ん」
 

覗き込むようにして話していた女の子が座席に座る。
 

恵美(忠雄):「そっか。十秒くらいで留守電に切り替わるんだ。留守電になったらきっと通話料が取られるよな。
                  何度もかけると高くつくから途中で切るようにしよう」
 

そう言うと、晃恵を見ながらジョグダイヤルを押してリダイヤルする。
 

晃恵:「ひっ!」
 

また晃恵が驚いて小さな声を上げる。
今度は学生達に気づかれなかったようだ。
 

晃恵:「あ…ああ…」
 

感じているのか?
彼女は身体をビクンと大きく震わせて背中を丸めている。
しかし、数秒したところでまた落ち着きを取り戻した。
 

恵美(忠雄):「やっぱり気持ちよさそうだな。携帯のバイブ。あの振動、結構強いもんなぁ」
 

忠雄自身は携帯電話を持っていないが、ショップで色々といじってみたり友人の康司が持っている携帯を
使わせてもらった事がある。非常に小さな「揺れ」だが「力強い」事を忠雄は覚えていた。
それに、以前同じような事を学校でしたことがあるのだ。
 

恵美(忠雄):「もっと晃恵さんが気持ちよくなってから乗り移ろう」
 

楽しい事をするときは思わず顔がニヤける。
今、恵美の表情は忠雄によってだらしなくニヤけた笑顔を作らされていた。
 

恵美(忠雄):「しばらく続けていれば…」
 

ジョグダイヤルに指を沿え、ポケットの中に開いたまま携帯を入れると早速リダイヤルする。
すると、また晃恵が俯いて携帯の振動に耐えるのだ。

恵美(忠雄)はポケットの中でリダイヤルと停止を、数秒おきに何度も繰り返して押していた。
 

晃恵:「んうっ…あっ…ああっ…な、何よ…これってもしかして…」
 

顔をしかめながらタイトスカートの上に手を置き、その振動を抑えようとする晃恵。
しかし、押さえ込めばそれだけ振動が感じるところに伝わってしまうのだ。
 

晃恵:「あうっ…はあっ…もしかして…け、携帯電話?…あんっ。あっまたっ…でも…どうしてこんなに何度も…んっ…」
 

股間にある物が携帯電話だということが何気なく分かった晃恵だが、それならどうして何度も
電話が掛かってくるのだろうかと疑問に思う。
しかもマナーモードにはしていなかったはず。
いや、それ以前にどうして下着の…パンティの中に携帯電話が…
 

晃恵:「いつの間にこんなものが…あうっ…やだっ、はぁっ、はぁっ。こんなんじゃ、説明が出来ない…」
 

そう、そろそろ高速道路を降りるところまで来ている。
運転手に通行券やチケットを渡さなければならない。そしてそのあと学生達に説明を…
 

晃恵:「はぁ、はぁ、お願いだから…んんっ、止まって…うぅっ」
 

目の前に高速道路の出口が迫る。
弱弱しく立ち上がった晃恵が小さな箱から通行券やチケットを取り出し、震える手で運転手に渡す。
それを見ていた恵美(忠雄)は、一旦電話をかけるのを止めた。
 

晃恵:「……」
 

定期的に起こっていた振動がピタッと止まる。
 

晃恵:「ふぅ…収まったの?」
 

額にうっすらとかいていた汗を右手にはめている白い手袋でそっと拭うと、マイクを持って座席の横に立った。
一時はどうなるかと思っていたが、笑顔を作った彼女はマイクに向かって話を始めた。
 

晃恵:「皆さん。今、高速道路を降りました。これから国道を走って一つ目の見学地に向かいます。
          バスを降りる時にも言いますが、バスの中には貴重品を置きっぱなしにしっ……」
 

晃恵の顔が一瞬こわばる。マイクを握っている手に力が入っているようだ。
なかなか次の言葉が出てこない彼女は、少し俯き加減で床を見ている。
急に話を止めた晃恵を見つめる学生達。
 

晃恵:「ぅ…ぅぅ…はぁ…くぅ…ぁぁ…ご、ごめんなさい。貴重品は…うぅ…」
 

晃恵は斜め下に顔を隠すようにしながら、足を内股にして少しだけ背中を丸めた。
 

恵美(忠雄):「もうすぐイッちゃうのかな。それならそろそろ止めないと。僕がイキたいのに」
 

晃恵の姿を見て、かなり感じていると悟った忠雄は電話をかけるのを止めた。
はぁはぁと肩で息をする晃恵が、目に涙をためながら続きを話す。
 

晃恵:「くぅ…はぁ、はぁ、ごめんなさい。貴重品はバスの中に置かないようにしてくださいね。
         盗難があるかもしれないから」
 

それだけ話すと、晃恵はすぐに座席に着いた。
よく分からないバスガイドの態度を不思議な顔で見ていた学生達。
身体の調子が悪いのかは分からないが、少し色気のあるその表情や仕草に心ときめいた男子生徒も
少なくなかったようだ。
コソコソとなにやら晃恵の事を話している。

そんな声を聞きながら恵美の身体のまま席から立ち上がった忠雄。
何気なしに晃恵の元へと歩いていく。
 

恵美(忠雄):「あの、大丈夫ですか?」

晃恵:「あっ…え、ええ」
 

不意に声をかけられた晃恵をちょっと驚いたような表情をした。
でも、笑顔で心配そうに見つめる恵美(忠雄)を見つめ返す。
 

恵美(忠雄):「それなら良かったです。もしかして変な事が起きているのかと思って」

晃恵:「えっ…へ、変な事って…」

恵美(忠雄):「ううん、何でもないです。それじゃあ」
 

晃恵に気づかれないよう、彼女が座っている椅子の横にそっと携帯電話を置いた恵美(忠雄)。
急いで席に戻ると、恵美の身体からスッと抜け出す。
 

恵美:「う…ん…」
 

意識を取り戻した恵美の事など気にも留めない忠雄は、またしても晃恵の身体へと入り込んだ。
 

晃恵:「うっ…うう…」
 

苦しそうな表情が元に戻ると、彼女はひとつ吐息をもらした。
 

晃恵:「うぅ…ん。はぁ…これはなかなかすごいかも…」
 

下半身にとろける様な疼きを感じ、足を動かすと股間にヌルヌルとした生温(なまぬる)い感触を覚える。
その疼きが晃恵に乗り移った忠雄を刺激し、晃恵の表情を緩ませた。
先ほど置いた日浦さんの携帯電話を手にとり、白い手袋の指先でさっそくリダイヤルする。
 

晃恵(忠雄):「ううっ!す、すごい…き、気持ちいい…」
 

感じるところを力強い振動がブルブルと刺激する。
すでに出来上がっていた晃恵の身体は、忠雄に質の高い快感を強制的に送るのだった。
 

晃恵(忠雄):「はぁっ、はぁっ。こんな快感に耐えて話そうとしていたのか。僕なら絶対無理だよ」
 

気持ちよすぎて停止ボタンを押すことを忘れていた晃恵(忠雄)。いつのまにか留守電に繋がっている。
停止ボタンを押したあと、またリダイヤル。
 

晃恵(忠雄):「くっ…はぁっ…も、もっと…もっと強くっ」
 

左手で恵美の携帯電話を操り、右手は黄色いタイトスカートの上からパンティの中にある晃恵の携帯電話を
股間へ押さえつける。
何度も何度もジョグダイヤルを操作してリダイヤルする晃恵(忠雄)。
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2002.9.5追加
絵:あさぎりさん

晃恵(忠雄):「すごい…あうっ…こうやって押さえつけると…も、もう耐えられなくなりそうだ」
 

グイグイと押さえつける晃恵の右手。
思わず左手がおろそかになりそうだが身体が覚えているのか、自然と操作している。
かかとを浮かせて足を閉じ、背筋を伸ばしながら喘ぎ声がこぼれないように必死に声を殺す忠雄。
 

晃恵(忠雄):「も、もうだめだっ。イクッ…うぁっ…ぁぁぁっ…ぁぁ…」
 

ビクンと身体を震わせる晃恵(忠雄)。
大きく肩で息をする。その表情はとても幸せそうだった。
口元からよだれが垂れそう。
 

晃恵(忠雄):「はぁっ…はあっ…はぁっ…はぁ…イ…イッた…あ、晃恵さんの身体で…」
 

満足そうな笑みを浮かべながら、しばし余韻を楽しむ晃恵(忠雄)。
晃恵の身体からは、まだその快感が少しづつ送られてくるように感じる。
 

晃恵(忠雄):「はぁ…はぁ…ふぅ〜…気持ちよかったなぁ。晃恵さんの身体。まさかこんな状況でイッたなんて誰も
                  思わないだろうな」
 

そんな事を呟いた晃恵(忠雄)は、送信履歴を消去するとその身体のまま立ち上がり、
日浦恵美のところまで歩いていった。
 

晃恵(忠雄):「携帯電話、落としていたわよ」
 

そう言いながら彼女に手渡す。
 

恵美:「え?私の携帯?」

晃恵(忠雄):「そうじゃないの?」

恵美:「…そ、そうみたい…です」
 

どうして私の携帯が?

そんな表情で携帯電話を見るめる恵美。
晃恵(忠雄)はクスッと笑うと、席へ戻って晃恵の身体から抜け出した。
 

晃恵:「…う、ううん…んふぅ…」
 

意識を取り戻した晃恵は、一度イカされた身体が急に自分のものになったような感覚。
トロンとして目でバスのフロントガラスを見つめる晃恵を後にし、自分の身体へと戻った忠雄。
 

忠雄:「…ふぅ…ちょっとスリルがあって楽しかったな。よく考えれば一度飲めば何人でも乗り移れるんだ。
         それならこんなにたくさん買う必要なかったよ。あ、でも自分の身体に戻ったら無理なのかな?」
 

自分の身体に戻った後は、薬を飲んだときのように猛烈な眠気に襲われる事もない。
他人の身体なら抜け出ようと意識すれば簡単に抜け出せるのに、不思議な話だ。
相手の身体にはまだ持ち主の魂があるから?
それなら死んだ人間に乗り移るとどうなるのか?

そんな事を考えながら流れ行く景色を眺める忠雄。
次に薬を使うのは宿泊するホテルに行ってからだろう。
自分の身体をずっとバスに寝かせておくわけにもいかないから。
 
 
 

最初の見学地についた忠雄達。
晃恵が股間に携帯電話を挟んだままバスを駐車スペースに誘導している。

あのタイトスカートの中にはまだ携帯電話があるんだよな…

そう考えただけで、あの快感がよみがえってくる。
 

忠雄:「今度は誰の身体で楽しもうかな…」
 

忠雄は見学よりもホテルで繰り広げられる楽しいイベントの方が気になって仕方なかったのだった…
 
 
 
 
 

晃恵:「やだ…どうなってるのかしら…」
 

学生達が見学を始めた頃、晃恵は公衆トイレの個室で黄色いタイトスカートを捲り上げていた。
パンティストッキング、更にパンティがが四角く盛り上がり、股間に挟まっている。
パンストのゴムを引っ張り、パンティの中に手を入れるとヌルヌルとした液にまみれてしまったピンク色の
携帯電話を取り出した。
 

晃恵:「携帯電話…こんなのいつの間に?」
 

ハンカチで綺麗に拭取り、着信履歴を確認する。
そこには非通知の着信が数十件もあった。
 

晃恵:「何よこれ…一体誰なの?」
 

意識がなくなったり、携帯電話が股間に挟まっていたり…
不思議な現象に不安を募らせる晃恵だった。
 
 
 
 
 

必殺の薬「PPZ−4086(修学旅行にて)」…第3話    おわり
 
 
 
 
 
 

あとがき

久しぶりに続きを書きました。
バスの中での出来事だったのですが、バスガイドと女子高生の二人に乗り移った忠雄。
男性との絡みは出てきませんが、忠雄としては女性の快感を得る事が出来てよかったのでは(^^;
携帯電話ネタは、以前初めて忠雄が薬を使ったときに登場しました。
たしか「和美」の身体でやったと思うのですが、昔読んで下さった方は同じシチュエーションだと
思ったのではないでしょうか。

本当は見学地でも女子高生の身体に乗り移りたかったところですが、設定上難しいですね。
それから、移動中の車でも幽体が置き去りにされないという設定にしました。
そうしないととても難しかったから(苦笑
晃恵のところに行くまでに、何人もの生徒の身体に乗り移ってゆくというドミノ方式も
考えたのですがちょっとしんどかったです。

次回は止まったホテルでの出来事。
入浴、食事、そして寝るところ…
どのあたりを書くのかは決めていませんが、ジャージ姿の女子生徒?に乗り移るであろう忠雄を
よろしくお願いします。

それでは最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。

Tiraでした。 inserted by FC2 system