エプロン姿
 
 

ある高校の昼休み。
和喜(かずき)と勝典(かつのり)はいつものように校庭に出ると、
日差しを遮る大きな木の下でゴロンと横になり、たわいも無い話を始めた。
 

和喜:「最近さ、ぜんぜん面白い事ないよな」

勝典:「そうだよな。毎日学校に行って帰るだけ。同じパターンだし」

和喜:「休みと言っても何にもすること無いしさ」

勝典:「まったくだよ。金があったら楽しい事一杯出来るのにな」

和喜:「なぁ。お前さ、もし大金持ってたら何したい?」

勝典:「そうだな。俺ならまず車を買うな」

和喜:「免許も持ってないのに?」

勝典:「そんなもの、金があれば何とでもなるさ」

和喜:「ならないってさっ!」

勝典:「自動車学校を買収するんだ。そして無条件に終検を通してもらう」

和喜:「筆記試験はどうするんだよ」

勝典:「それは・・・カンニングするのさ」

和喜:「現実味の無い話だよなぁ」

勝典:「でもお前だって車ほしいだろ」

和喜:「ほしいよ。飛び切り高いスポーツカーが」

勝典:「へぇ〜、俺は優雅な高級車がいいな。女にモテまくるぜ!」

和喜:「女かぁ…女もいいなあ」

勝典:「毎晩楽しい店に行くってか!」

和喜:「それもいいんだけどさ。俺、あるシチュエーションに憧れてんだよ」

勝典:「シ、シチュエーション??」

和喜:「そうさ」

勝典:「どんなシチュエーションだよ。裸のお姉さんにご奉仕してもらうとか?」

和喜:「そんなんじゃないんだ。エプロン姿のお姉さんに憧れてるんだよ」

勝典:「エプロン姿?コスプレが趣味なのか?でも、それなら看護婦とかスチュワーデス姿が
          良くない?」

和喜:「それもいいんだけどさ。裸でエプロン姿をしたお姉さんが台所で料理している姿。
          あれってすごくそそられない?」

勝典:「う〜ん…まあ…そそられない事も無いけどさ。それだったら俺は看護婦のお姉さんに
          ご奉仕してもらう方がよっぽど嬉しいけどな」

和喜:「裸でエプロン姿だぞ。お尻丸出しで、横から見たらチラッと胸が見えるんだ。
          料理している後姿に抱きついてみろよ。絶対我慢できないって」

勝典:「お前、ちょっと変態っぽいところあるよな」

和喜:「そうかなあ。お前は全然感じないか?」

勝典:「なんかオヤジの発想だぜ」

和喜:「お前も大して変わらないだろ」

勝典:「俺のほうがまともだと思うけどな」

和喜:「そんな事無いってさ。あ〜あ、一度でいいからそんなシチュエーションに遭遇してみたいよなぁ」

勝典:「だから金があればいくらでも味わえるって。コスプレ専用の店だってあるんだしさ」

和喜:「違うんだって。そうじゃなくてさ。日常的な雰囲気の中で味わいたんだ」

勝典:「……ま、そんな事してくれる彼女か…何なら奥さんでも捜すんだな」

和喜:「それしかないよなあ…」

勝典:「まあ…な」

和喜:「誰か紹介してくれよ。俺の事が心底好きだって女の子をさ。それならやってくれるかもしれない」

勝典:「……いねえよ、そんな子は…」

和喜:「だよなぁ…」
 

…いつもの事だ。
二人で出来もしない空想を話している。でも、それが楽しいのだ。
涼しげな風が頬をなで、少し眠たくなり始めた頃に校舎から予鈴が聞こえる。
 

勝典:「あと二時限か」

和喜:「かったり〜なぁ」
 

二人は背中についた芝生を払いあうと、教室へと歩いていった。
 
 
 
 
 

…そして放課後。
 
 
 
 
 

いつも途中まで一緒に帰る二人だが、今日は勝典が用事があるといって先に帰ってしまった。
珍しい話だ。
 

和喜:「ま、いっか。どっちみち何をするわけでもないし…」
 

そう言いながら家に帰った和喜。
 
 

ガチャ
 
 

四十分ほど掛かって家の玄関についた和喜。
玄関を開けると、いつものように一足だけ白っぽい女性の靴が置いてある。
 

美智香(みちか):「おかえり〜」

和喜:「ただいま」
 

廊下の向こうから美智香さんの声がする。
美智香さん。六つ年上の兄さんの奥さんだ。
和喜の兄さんは、美智香さんと一緒にこの家に同居している。

美智香さんは、兄さんの二歳下だからまだ二十一歳。
ほんの三ヶ月前に結婚したところで、和喜も始めてあってからまだ半年も
経っていない。それだけに、まだ恥ずかしさが抜けないでいる。
美人系だから余計かもしれないが…
 

和喜は美智香さんがいるキッチンには行かず、そのまま二階に上がって自分の部屋に入ると
黒い制服を脱ぎ捨ててTシャツと短パンというラフな服装に着替えた。
この時間はいつも二人だけなので、どうも居心地が悪い。

リビングでゆっくりとテレビでも見たいのだが、美智香さんがいるので行きづらいのだ。
だから和喜は、いつも部屋で漫画を読んだり音楽を聴いたりして両親や兄さんが
帰ってくるのを待っている。一人でも帰って来てくれればすんなりと下に降りる事が出来るのだ。

美智香さんもそんな和喜の気持ちを知ってか、特に気にすることも無く
夕食の準備に取り掛かっている。時間が経てばこの溝も埋まるのだろうと
思っているのかもしれない。それは和喜にとっても同じことだった。
 

和喜:「ふぁ〜……勝典から借りた漫画でも読むかな」
 

カバンの中から取り出したコミックを片手に、ベッドに横になった和喜。
俯けに寝転んだ和喜は、肘を突きながらコミックを捲り始めた。
だが、ほんの二ページほど読み終わったとき、一階から美智香さんの声が聞こえたのだ。
 

美智香:「和喜君、ちょっとだけ手伝ってくれない?」
 

珍しい出来事に、しばらく返事を忘れていた和喜。
 

美智香:「ねえ、聞こえてる?」

和喜:「あ、はい!」
 

ようやく返事を返した和喜は、戸惑いながらもベッドにコミックを置いたまま1階へと降りていった。
 

和喜:「珍しいな。手伝えなんて。それに和喜君だって…変に改まっちゃってさ…」
 

階段を降りた和喜は、廊下を歩いてキッチンへと向かった。
リビングを通りキッチンへ目を向けると、そこには白いエプロン姿の美智香さんが
こっちを向いてテーブルに皿を並べているところだった。
 

美智香:「あ、ごめんね和喜君。呼び出したりしちゃって」

和喜:「あ、うん。別に何もしてなかったから」

美智香:「そう、よかった。あのさ…ううん。あのね和喜君、ゆで卵作れる?」

和喜:「ゆで卵?」

美智香:「サラダを作ろうと思って」

和喜:「ああ、ゆで卵くらいなら作れるよ。鍋に水と塩と卵を入れて15分くらい火に
          掛けていればいいんでしょ」

美智香:「…そ、そうね。多分そうだと…思うわ」

和喜:「…」
 

ゆで卵くらい作れるでしょ…
昨日だって作ってたじゃんか…
 

和喜は不思議に思った。それよりも、何となく美智香さん、服装がおかしい。
白いエプロンから伸びている両腕が剥き出しだ。それに首の下に何もない。タンクトップか?いや、違うか?
ブラジャーの紐も見えないぞ。

前からしか見ていないからよく分からないが…洋服は?
 

美智香:「じゃあ和喜君、こっちに来て作ってよ」

和喜:「う、うん」
 

和喜はキッチンへ入ると、冷蔵庫から卵を取り出そうとした。
そのとき、ふと美智香さんの後姿が視界に入る。
 

和喜:「なっ……」
 

パシッと殻が割れる音がした。
手に取ったばかりの卵を1つ落としてしまった和喜。
 

美智香:「あんっ、ダメじゃない和喜君」
 

美智香さんが笑いながら和喜の足元にしゃがみ込み、両手で割れた卵を拾う。
 

和喜:「あ……だ、だって…」

美智香:「勿体無いなぁ…」
 

美智香さんが和喜を見上げながらつぶやく。
しかし、和喜の目線は美智香さんの胸元に集中していた。
白いエプロンの中に、美智香さんの生乳が見えている。
 

和喜:「み…美智香さん?」

美智香:「もう使えないわね。捨てましょ」

和喜:「あ、あの…」
 

立ち上がった美智香さんがゴミ箱まで歩いて前屈みになり、割れた卵を捨てている。

その後姿は…

和喜が今日、学校で話していた姿そのものだった。
首の後ろと腰にエプロンの紐が結ばれている。
たったそれだけ。

和喜に背を向ける美智子さんは、上から下まで「裸」だったのだ。
白くて綺麗な肌が和喜の目の前に、惜しげもなくさらけ出されている。
昼休みに勝典と話していた理想の女性像が今、こうやって目の前にある。
美智香さんが…兄貴の嫁さんである美智香さんが…

和喜はその前屈みになった後姿をただ見ていることしか出来なかった。
丸くて張りのあるお尻。
細くて白い足。
そして、身体を起こしてまっすぐに立った美智香さんのウェストはエプロンに
隠れているとはいえ、とても細く見えた。
その艶やかな背中に触ってみたい・・・
和喜はそう思いながら鼓動が激しく高鳴るのを感じていた。
 

美智香:「ほら、お鍋に水を入れるんでしょ」

和喜:「…あ……ああ、そうだった…」
 

我に返った和喜が水を入れた鍋をコンロに置く。
そして、塩と卵を入れたあとコンロのボタンを押して火をつけた。
 

美智香:「ありがとう。あとは15分待つだけよね」

和喜:「うん…」

美智香:「他にお願いしてもいい?」

和喜:「え、う・・うん、いいけど」

美智香:「それじゃあ…」
 

美智香さんは和喜に近づくと、クルッと背を向けた。
 

美智香:「私、身体が硬いからかゆいところに手が届かないのよ。ちょっと背中掻いてくれない?さっきからかゆくて」

和喜:「あ……」

美智香:「ほら、この下のところ…」
 

美智香は両手を背中に回しているのだが、その手は肩の少し下までしか届いていない。
 

和喜:「お、俺が掻くの?」

美智香:「ほかに誰がいるのよ」

和喜:「…」
 

まさか美智香さんの素肌に触れるとは思っても見なかった和喜。
恐る恐る美智香さんの背中に指で触れる。
 

美智香:「うくくく…くすぐったい。ちゃんと爪を立てて掻いてよ」

和喜:「あっ…ご、ごめん…」
 

和喜は指を立てて美智香さんの背中を掻き始めた。
 

美智香:「もう少し下…右の方に行って…あ、そこそこ…んっ…気持ちいい…」
 

美智香さんは気持ちよさそうに立っている。
和喜は、スベスベした白い肌を指先に感じていた。

兄貴……こんな風にいつも美智香さんに触れているんだな…

そんなことを思いながらしばらく掻いていると、だんだん肌が赤くなってきた。
 

美智香:「ありがとう。もういいわ」

和喜:「うん」

美智香:「身体が硬いって不便だよね」

和喜:「そうだと思うけど……ね、ねえ…」

美智香:「何?」
 

美智香が和喜の方へ振り向いた。
 

和喜:「どうして…そんな格好しているのさ?」

美智香:「……ふふっ。ねえ、それよりも冷蔵庫から大根を取ってくれない?」

和喜:「え…い、いいけど…」
 

美智香さんは何故か和喜の質問には答えなかった。
和喜は仕方なしに冷蔵庫から大根を取り出す。
 

和喜:「はい」

美智香:「ありがとう」
 

美智香さんは綺麗に大根を洗ったあと、まな板の上でゆっくりと切り始めた。
その後姿をじっと見つめる和喜。

一度でいいから裸でエプロン姿の女性に後ろから抱きついてみたい…

そう思っていた光景が、今ここにある…
そっと後ろから抱きつけば…

和喜は頭の中で何度も想像していた。

そのとき、美智香さんが和喜に声をかけたのだ。
 

美智香:「またかゆくなっちゃった。手が離せないから掻いてくれない?」

和喜:「え……」

美智香:「お願い」

和喜:「あ……うん」
 

ドキドキしながら美智香さんの後ろに立ち、背中に指を立てる。
 

美智香:「ううん、そうじゃなくて前。お腹がかゆいのよ」

和喜:「お、お腹?」

美智香:「エプロンの生地が擦れるからかゆいのよ」

和喜:「…」

美智香:「早く掻いて」

和喜:「わ、分かったよ…」
 

和喜は心臓が飛び出しそうになるほどドキドキしていた。
手を前に回すと言う事は、すなわち抱きしめると言う事。
それは和喜が願っていた行為だったのだ。

片手だけ?

いや、やはり両手がいい…

和喜は美智香さんのすぐ後ろから抱きしめるようにして両手をお腹へと回すと、
エプロンの上から適当に指を立てて掻き始めた。
とうとう夢が現実となった瞬間だった。
こんなに早く夢が叶うなんて…
和喜は美智香さんの背中で幸せな表情を浮かべている。
 

美智香:「ねえ、そうじゃなくて、直接掻いてほしいの。ああ、かゆい…」

和喜:「えっ、ちょ、直接って…」

美智香:「エプロンの中に手を入れても構わないから。ね、早く早くっ」

和喜:「……」
 

身体をくねらせてかゆいという事を表現している美智香さん。
和喜は何も言わないまま‥、いや、何も言えないまま両手をエプロンの裾から
忍ばせた。腰の後ろで縛っているエプロンの紐の上くらいから忍ばせた両手は、
細いウェストを通り過ぎるとお腹の上に到達する。
丁度紐で縛っているあたりだから少し窮屈な感じ…
 

美智香:「そのまま掻いてよ」

和喜:「う、うん・・」
 

和喜が両手の指を立てて、柔らかい美智香さんのお腹を掻き始める。
自分のお腹とは全く違うその手触りと弾力。

これが女性の身体なのか…

決して太っているわけではない。
ただ女性特有の柔らかな弾力がお腹を波立たせるのだ。
 

美智香:「もう少し上の方をお願い」

和喜:「…」
 

和喜は無言のまま、言われたとおり両手を上に移動させた。
美智香さんの背中に密着している和喜は、目の前の綺麗な髪から漂う
シャンプーの香りに翻弄されそうになっている。

何気なく手を上に移動させた和喜は、お腹に続く皮膚とは別のものが触れた感触に
驚いた…と同時に、
 

和喜:「あ、ごめん‥」
 

と謝った。
それは美智香さんの胸の底。
お腹よりも柔らかい胸の底が、和喜の親指に触れたのだ。
もちろんすぐに手を下に移動させた和喜。
でも美智香さんは特に怒った様子も無く、
 

美智香:「そのままちょっとだけ掻いてくれる?」
 

と和喜にお願いしたのだった。
和喜は胸に指が触れないようにしながら、お腹の少し上のあたりをポリポリと掻いた。
 

美智香:「ああ、気持ちよかった。ありがとう、和喜君」

和喜:「う、うん…」
 

そう返事をした和喜はこの状況を楽しむ余裕が無かったようだ。
夢は叶ったしムスコはいきり立っていたのだが、緊張して今の状況がよく理解できていなかったのだ。

とにかく、お腹の上から両手を遠のけてエプロンから手を出そうとすると美智香さんが声をかけた。
 

美智香:「あ、和喜君ちょっと待って」

和喜:「え‥」
 

その言葉に手が止まる。
美智香さんは大根をゆっくりと切りながら、更に和喜に話し掛けた。
 

美智香:「ねえ。ちょっとだけご褒美あげよっか」

和喜:「え?」

美智香:「私が大根を切っている間だけ、身体を触ってもいいわよ」

和喜:「は、はあ?」
 

和喜は美智香さんが何を言っているのかよく分からない。
 

美智香:「彼には内緒。手伝ってくれた御礼…」
 

美智香さんは後ろを向こうとはせず、大根を切る包丁の先を見ながら話している。
 

和喜:「え…で、でも…」

美智香:「きっと女の子の身体、触ったことないんでしょ。今時珍しいわね、高校生にも
             なって女の子の身体を触った事が無いなんて」

和喜:「そ、そんな事…」

美智香:「もう半分切れちゃったわよ。あと少ししか時間がないんだから」

和喜:「……」

美智香:「別に嫌なら…いいんだけど」

和喜:「い、嫌じゃないけど…兄貴に…」
 

むしろ光栄です…
そう言いたかった和喜。
でもそんなことは言えない…
兄貴の奥さんなのだから。
 

美智香:「だから内緒って言ってるでしょ。さあどうぞ」
 

美智香さんは、少し笑いを含めたしゃべり方で和喜に話した。

本当にいいんだろうか?

手を動かせないでいる和喜。
さっき、「手が離せないから掻いてくれない?」と言っておきながら、美智香さんは
大根と包丁から手を離すと、エプロンの上からまだ中に忍ばせたままの和喜の手を掴んだ。
 

和喜:「あっ」

美智香:「あのね、和喜君。今だけこういう事しても構わないって言ってるの」

和喜:「わっ!」
 

美智香さんは掴んだ和喜の手を、そのまま自分の胸の上へと持っていった。
和喜の手のひらに、美智香さんの柔らかい胸の感触が一気に伝わる。
その手のひらを押し付けるように、美智香さんは掴んだ両手に力を入れた。
 

美智香:「ふぅ……和喜君の手、大きいわね」

和喜:「あ…」

美智香:「緊張しているの?」

和喜:「いや‥だから…」

美智香:「だから?」

和喜:「兄貴に…怒られるよ」

美智香:「心配性ね。内緒だって言ってるでしょ。ちゃんと黙っていてあげるわよ。それに私から言い出したことなんだし」

和喜:「で、でも…」

美智香:「あ、もうこんな時間!急がないとっ」
 

美智香さんは掴んでいた手を離すと、また包丁を持ち大根を切り始めた。
和喜の手は美智香さんの胸に置き去りだ。
何も言わずに大根を切っている美智香さん。

み、美智香さん…
 
絵:Zipperさん

Zipperさんのご好意により、あさぎりさんの「お絵かき掲示板」で掲載されていた絵を挿絵として使わせていただきました。
Zipperさん、ありがとうございます!

そんな彼女に抱きついている和喜は、そっと指を動かして胸の感触を確かめてみた。
両手の中で柔らかい胸が、和喜の思い通りに窪(くぼ)んでゆく。
胸から伝わる温かい体温。
それを感じながら、少しだけ円を描くように胸を動かしてみた。
 

美智香:「ぁ…」
 

美智香さんの口から、わずかな吐息が漏れたような気がする。
和喜はその声に顔を赤らめた。

今、胸を動かしたから声が漏れたんだ…

そう思った和喜は興奮して、息が荒くなり始めた。
何も抵抗せず、ただゆっくりと大根を切っている美智香さん。

す‥好きに…さ、触ってもいいんだ…

先ほどよりも大きな動きを始めた和喜の両手。
胸を中央に寄せるように手を動かしたあと、今度は下から胸を持ち上げてみる。
すると美智香さんの身体がピクンと震えた。

和喜はさらに鼓動を高め、息を荒くしながら美智香さんの胸を両手一杯に揉み始めた。
指が胸に埋れている事が、手に伝わる感触からよく分かる。
 

美智香:「んっ……んふっ…」
 

美智香さんが明らかに声を出している。
それもいつも聞いている声よりも若干高い「喘いでいる」声だ。

和喜の指が、美智香さんの胸の突起を掴んでコリコリと刺激する。
すると美智香さんの両腕が、エプロンの中で悪戯する和喜の腕を挟みこむのだ。
 

美智香:「あんっ…」
 

初めて聞く美智香さんの喘ぎ声。
聞きなれない切ない声が和喜の理性を更に突き崩す。
しばらく胸の突起を刺激していると、それがだんだん硬くなってきたのがよく分かる。
美智香さんの大根を切っていた手は、いつの間にか止まっているようだ。
頭を右に傾け、少し上を向いているような感じ。
 

美智香:「んんっ……あ…はぁ…んっ……」
 

和喜が指に力を入れるたびに、美智香さんは切ない喘ぎ声を漏らしていた。

エプロン姿の女性に後ろから抱きついて悪戯している…
後ろから直接胸を揉んだりして……

美智香さんの背中に顔をうずめるようにして女性の身体を触りまくる和喜。
しばらくすると、美智香さんは包丁と大根から手を離し、流し台の端を持った。
肩幅よりも少し広いくらいに広げた手。
 

美智香:「はぁ…はぁ……んんっ…ん…」
 

後ろに少し押されるような感じがした和喜は、一歩だけ後ろに下がった。
それにあわせるように後ろに下がった美智香さんは、足も肩幅くらいに
広げると、片手を後ろに回して和喜の短パン越しにムスコを掴んだのだ。
 

和喜:「あ…ちょっと」

美智香:「あんっ…んっ…んん‥」

和喜:「わっ‥」

美智香:「はぁ……はぁ‥」
 

大きくなっているのを確認した美智香さん。
後ろ向きのまま器用に短パンの裾へ手を入れると、大きくなったムスコを横から引っ張り出す。
短パンの太ももあたりから無理矢理出される、いきり立った和喜のムスコ。
美智香さんは和喜のTシャツを自分の方に引っ張って身体を密着されると、何も言わず
そのまま先ほどと同じように流し台を掴んでいた。
お尻を和喜に向かってグッと突き出している。
和喜の息子は、お尻の下、美智香さんの少し開いた両足の間に挟まるような感じで収まっていた。
まだ両手は胸の突起を掴んだままの和喜。
美智香さんが少し前に身体を傾けると、和喜も離れないように身体を前に傾けて背中に顔を横向けに宛がう。
そんな状態の中、美智香さんは股の間に挟まっているムスコを前からそっと掴むと、
お尻を更に突き出しながら目的の場所へと導き始めた。
 

和喜:「え…ちょ、ちょっと…」

美智香:「んっ……」
 

美智香さんが感じるところにムスコの頭が触れたようだ。
そのまま少し後ろに移動させたあと、美智香さんの入口に頭をつける。
すると、ヌルッとした感触をムスコの頭に感じるのだ。
 

美智香:「んんっ!」

和喜:「あっ…」
 

ムスコの頭が少しだけ入口の中に入り込む。
美智香さんはその状態で手を離すと、また流し台を掴んだ。
和喜はムスコの頭が美智香さんの中に入り込もうとしているのがとてもよく分かっていた。

このまま腰を前に動かすと、きっと美智香さんの中に入り込んでゆく…

和喜は鼓動の高ぶりに苦しくなりながらも、ゆっくりと腰を前に動かし始めた。
 

美智香:「あっ!…んん〜っ」

和喜:「…うう」
 

ヌルヌルとした感触が、だんだんムスコ全体に伝わり始める。
温かいという感覚が頭を包み込むと、更にその温かさはムスコの下の方まで広がってゆく。
 

美智香:「ふぅ〜ん…」

和喜:「はぁ……はぁ…」
 

美智香さんのお尻と和喜の下腹部が異様に密着している。
彼女のお尻が完全に和喜の下腹部に押さえつけられている感じだ。
 

美智香:「ううっ…んふっ…」

和喜:「は…入った…」
 

和喜のムスコは、美智香さんの中に完全に入り込んでしまっている。
そして美智子さんの中はとても温かく感じた。

このまま腰を動かせば…

和喜は美智香さんの胸をギュッと掴むと、そのまましがみつくようにして
腰を動かし始めたのだった。
 

美智香:「うっ…はあっ…あっ……あっ…あっ…」

和喜:「はあっ、はあっ、はあっ…」
 

和喜のムスコが美智香さんの中を何度も何度も往復する。
ヌルヌルとした感触。
そしてムスコを締め付ける美智香さん。

和喜はもう夢中で腰を動かし始めた。
 

美智香:「あっ…はあっ…あんっ…あんっ、あんっ…」

和喜:「うっ、ああっ、あはっ…はあっ‥」

美智香:「き‥気持ちいいっ……はあっ、ああっ‥すごいっ…」

和喜:「はあっ…はあっ…お、俺も……すごく‥いい…」
 

下から突き上げるように腰を動かす和喜。
美智香さんの身体の奥まで到達する和喜のムスコ。

エプロン姿の女性を犯してる…

もう和喜は無我夢中になっていた。
胸を掴んでいた両手を美智香さんの腰に宛がい、まっすぐに
立った状態でパンパンと音を立てながら腰を動かす。
美智香さんは必死で流し台を掴みながら、ずっと俯いて快感を
受け止めているようだった。
 

美智香:「あ〜…んっ‥んん〜っ……あっ、あっ‥」

和喜:「ううっ‥くっ、はあっ…あっ……はあ、はあっ」
 

和喜は只々、欲望のままに腰を振るだけだった。
こんなに気持ちがいいなんて思っても見なかった和喜は、早くも美智香さんの中へ出そうとしたのだった。
 

和喜:「ああっ…も、もう出るっ!」

美智香:「ああんっ…えっ、あっ!それはヤバイだろっ!」
 

美智香さんがお尻を手前に引くのと同時に、和喜の腰が後ろに下がったので
ムスコがツルンと中から抜けてしまった。
美智香さんの腰に当てていた手を離し、ムスコを握ってしごく和喜。
 

和喜:「う…ううっ…うああああっ!」
 

ドクドクと美智香さんの背中から腰にかけて、白い和喜の子供たちが飛び散る。
 

和喜:「あうっ…ううっ…くっ…うう…はぁ、はぁ、はぁ」

美智香:「はぁ、はぁ、はぁ…」
 

美智香さんはまだ後ろを向いたまま。
和喜は全てを放出させると、息を整えながら目の前にある
子供たちが飛び散ってしまった美智香さんの後姿を見た。
 

和喜:「あ…」

美智香:「はぁ…出しちゃったな…」

和喜:「う、うん…」

美智香:「…うふっ。じゃあティッシュ持って来てくれる?」

和喜:「あ、うん…」
 

我に返った和喜がティッシュで美智香さんの背中から腰を綺麗に拭く。
 

美智香:「ねえ、どんな感じだった?」

和喜:「う、うん。気持ちよかった…」

美智香:「絶対内緒だから」

和喜:「分かってる。分かってるよ」

美智香:「今日の事はお互い二度と口にしない事。今からよ。約束できるわね」

和喜:「も、もちろん…そんな事、口が裂けたって言えないよ」

美智香:「よかった。あ、そうだ。まだ買い物しなくちゃいけなかったんだ」

和喜:「買い物?」

美智香:「そうそう。ねえ、大根全部切っておいてくれる?」

和喜:「い、いいけど…」

美智香:「それじゃあお願いね。あ、それ…先にしまった方がいいわよ」

和喜:「え…」
 

美智香さんは小さくしぼんでしまったムスコを指さした。
慌ててティッシュで綺麗に拭取り、短パンにしまいこむ和喜。

美智香さんは何も言わず、別の部屋に脱ぎ散らかしていたらしい洋服を持って来て着始めた。
その着替えを横目で見ていた和喜。結構乱暴に着込んでいる美智香さんを見ながら、
大根を手に取ると、包丁でゆっくりと切り始めた。
 

美智香:「じゃあ頼んだわよ」

和喜:「うん」
 

笑顔でそう言い残し、美智香さんは玄関のほうへ歩いていくと扉を開けて外へ出て行った。

美智香さんが残していった大根。
彼女が切った大根を見てみると、どれも不揃いで和喜の方がよっぽど上手く切っているようだった。
 
 
 

そのあと、ほんの少しして…
 
 
 

美智香:「ただいま」

和喜:「おかえり。買い物、早かったんだ」

美智香:「おかしいなぁ…私一体……えっ?あれっ、和喜ちゃん、夕食作ってくれてたの!うれし〜っ!」

和喜:「え?」
 

キッチンで大根を切っている和喜を見て、笑顔でうれしそうに近づいてくる美智香さん。
 

美智香:「今日はほんと珍しいわね。和喜ちゃん、いつも2階の部屋にいるのにこうやって夕食の準備してくれるなんて。
             どういう風の吹き回しかしら?」

和喜:「……」
 

美智香さんは少しはしゃいだ雰囲気で和喜に話し掛けると、キッチンに入って和喜の横で手伝い始めた。
 

美智香:「あらあら。ちょっと不揃いみたい。それに皮も剥かないとね!」
 

わざとしらばっくれてるのか?もう話さないって約束だから…

和喜はそう思った。でも、しばらく話しているうちに、まったく話が噛み合わないので少し不思議に思ったのだった。
それでも、今までとは違い、こうやって話が出来る間柄になった事だけは嬉しいと感じていた…
 
 
 
 
 

そして次の日の朝…
 
 
 
 

和喜:「おいおい、ちょっと聞いてくれよ」

勝典:「ああ?何だよ」

和喜:「俺さ、昨日すっごい体験したんだよ」

勝典:「さては裸にエプロンだけ付けた姉さんと楽しい思いをしたんだな」

和喜:「えっ!?どうして知ってるんだよっ」

勝典:「えっ!そうなのか?」

和喜:「あ、ああ。そうなんだよ、まさかあんな体験するなんて思っても見なくてさ」

勝典:「へえ〜、それはすごいな。詳しく聞かせてくれよ」

和喜:「ああっ。昨日帰ったらさあ…」
 

和喜は美智香さんと内緒だと約束したのに、嬉しそうな表情で昨日の出来事を勝典に話した。
勝典はニコニコしながら和喜の話を聞いている。
そう、まるで全てを知っているかのように・・・
 
 
 

エプロン姿・・・・おわり
 
 
 

あとがき
今回の書き方はTSをメインに持ってくるのではなく、
普段の生活の中で異様な現実を絡ませつつ(?)、でも少しだけ
TSも含んでいるような…訳の分からない内容でした(苦笑
和喜が体験した時の美智香さんは本人だったのでしょうか?
それとも…
さて、どうなんでしょうね。
和喜ちゃん、香津美さんと仲良くなれて良かった良かった。

それでは最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございまいた。

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